30日(日)日本時間18時30分から2011年F1世界選手権第17戦インドGPの決勝レースが、ブッダ・インターナショナル・サーキット(全長5.125km)で行われた。決勝の周回数は60周、レース距離は307.249km。

前日に行われた公式予選ではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今シーズン13回目のポールポジションを獲得し、1992年のナイジェル・マンセルが樹立したシーズン14回に次ぐ歴代2位の記録となった。2番手にはルイス・ハミルトン(マクラーレン)、3番手にはマーク・ウェバー(レッドブル)が入ったが、ハミルトンには3グリッド降格ペナルティが下されたために、2台のレッドブルがフロントローからスタートすることになる。小林可夢偉(ザウバー)はQ2に進むことができず、18番手だった。地元期待のフォース・インディア勢はエイドリアン・スーティルが8番手、ポール・ディ・レスタが12番手。唯一のインド人ドライバーとしてレースに出走するナレイン・カーティケヤン(HRT)は22番手だったが、予選中に他車をブロックしたとしてグリッド降格となった。

前述のハミルトンとセルジオ・ペレス(ザウバー)は金曜フリー走行1回目で黄旗を無視してしまったために、いずれも3グリッド降格処分を受けている。また韓国GPでミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)に追突したヴィタリー・ペトロフ(ルノー)に対しては5グリッド降格処分。また予選直前にギアボックス交換を実施したダニエル・リカルドおよび予選中に他車をブロックしたカーティケヤンにそれぞれ5グリッドダウンのペナルティが与えられ、HRTは最後列からのスタートに。ティモ・グロック(ヴァージン)はギアボックストラブルを抱えたことで予選Q1トップタイムの107%タイムに届かなかったが、レース出走を認められた。

スタート直前のブッダ・インターナショナル・サーキットは気温が31℃、路面温度は38℃というドライコンディション。タイヤサプライヤーを務めるピレリは、側面に黄色いラインが引かれているソフトコンパウンドと銀色のラインが引かれているハードコンパウンドの2種類を持ち込んだが、今回は通常とは異なり、軟らかいソフトコンパウンドがプライム、硬いハードコンパウンドがオプションという設定になった。

今回はDRS(ドラッグ・リダクション・システム/可変リアウイング)使用が可能なゾーンが2カ所設定された。最終コーナー手前の計測ポイントで前車とのタイム差が1秒以内となった場合にホームストレートで、ターン3直前の計測ポイントで前車とのタイム差が1秒以内だった場合にターン3からターン4までのバックストレート後半部分で使用できる。

24台のマシンがダミーグリッドから発進し、フォーメーションラップを開始。多くのマシンがソフトタイヤを装着したが、ディ・レスタ、ペトロフ、ペレスはハードタイヤでスタートを切ることを選んだ。

各車スターティンググリッドにつき、レーススタート!上位勢はスムーズなスタートを切ったが、後方ではターン1でルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)やティモ・グロック(ヴァージン)と接触した可夢偉がスピン! バックストレートではジェンソン・バトン(マクラーレン)がスリップストリームを使って2番手に浮上したが、首位は依然ベッテルだ。可夢偉はバックストレート脇の芝生でマシンを降り、オープニングラップを走り切ることさえできずにリタイアとなった。

1周目を終えた時点のオーダーは首位ベッテル、2番手バトン、3番手ウェバー、4番手フェルナンド・アロンソ、5番手フェリペ・マッサ(共にフェラーリ)、6番手ハミルトン。7番手にニコ・ロズベルグ、8番手にミハエル・シューマッハ(共にメルセデスGP)、9番手にスーティル、10番手にブルーノ・セナ(ルノー)と続いた。またハードタイヤを履いたペレスは1周目の終わりにピットストップを行ってソフトタイヤに交換し、タイヤ装着義務を早々と果たしている。同様にディ・レスタとペトロフも数周を走ってソフトタイヤに変更した。

いつものようにベッテルはファステストラップを連発し、7周を終えた時点で2番手バトンに4.7秒差を築く。3番手ウェバーはDRSを使ってバトンに迫るが、トップスピードが優れるマクラーレンが相手では並ぶことはできても前に出ることは容易ではない。アロンソとマッサはウェバーから2秒以上離されているが、6番手のハミルトンもなかなかペースが上がらず、マッサから1.8秒差を築かれている。最も接近しているのは10番手争いで、ブルーノの後ろにはハイメ・アルグエルスアリとセバスチャン・ブエミのトロ・ロッソが続き、9周目のターン4でアルグエルスアリがブルーノをオーバーテイク。ブエミもブルーノの背後にぴったりつき、翌周のホームストレートでパッシングを決めた。

14周目にはブルーノを追っていたパストール・マルドナド(ウィリアムズ)がスローダウン。どうやらギアボックス周辺のトラブルに見舞われたようで、コース脇にマシンを止めてリタイアとなった。

ベッテルは14周目に1分30秒685というファステストラップをマークしたが、バトンもペースを改善しており両者の差は4.3秒。15周目にはアルグエルスアリがスーティルをロックオンし、DRSを使ってバックストレートでオーバーテイクを決めて9番手に浮上した。

16周目の終わりにはウェバー、アロンソ、ハミルトンが同時ピットインし、17周目にはマッサがピットストップで再びソフトタイヤに交換した。アロンソはシューマッハの後ろでコースに戻ったが、18周目にバックストレートでオーバーテイクを決め、4番手となった。2番手を走行していたバトンは18周目にタイヤ交換を行い、そのまま2番手でコース復帰。ベッテルは19周目にピットストップを実施し、バトンの3秒前でコースに戻り首位をキープした。

23周目にわずかにコースオフしてスピードが鈍ったマッサをハミルトンが捕らえ、24周目にバックストレートで仕掛けた。しかしここでオーバーテイクすることはできず、ハミルトンはターン4の立ち上がりでKERS(運動エネルギー回生システム)を一気に使ってターン5でマッサのインに飛び込んだが、マッサもスペースを与えず、両者は接触! ハミルトンはフロントウイングを破損して緊急ピットインを強いられたが、マッサはランオフエリアに弾き飛ばされたもののマシンに大きなダメージを抱えず走行を継続。この接触についてはレーススチュワードが審議することになり、マッサにドライブスルーペナルティが与えられた。スペースを与えなかったマッサに非があるとの判断になったが、マッサはハミルトンの前でコースに復帰している。また、24周目にブエミがマシントラブルを抱えてストップ。トロ・ロッソはダブル入賞を狙える位置にいただけに、痛いトラブルとなった。

マッサはドライブスルーペナルティを終えた後の32周目にピットインし、ハードタイヤに交換。残りの28周を走り切ろうという作戦だ。先頭のベッテルは32周目にファステストラップをたたき出すが、バトンも5秒遅れでペースを維持。3番手のウェバーと4番手のアロンソの差が2秒となり、アロンソから5番手ロズベルグまでは30秒という大差がついた。

マッサは34周目に縁石に乗り上げ過ぎてしまい、左フロントサスペンションを破損。ピットまで帰還することができず、グラベルでリタイアとなった。マッサは予選でも同じミスで右フロントサスペンションを破損しており、非常にもったいないミスとなった。

37周目の終わりにウェバーがピットインし、ハードタイヤに交換してコース復帰。一方のアロンソは39周目の終わりにタイヤを交換してウェバーの前でコースに戻ることに成功。それでもウェバーのタイヤはすでに温まっており、アロンソはミラーを見ながらディフェンシブな走りを強いられることになった。

46周目の終わりにはハミルトンに続き、バトンがピットイン。これに反応して47周目の終わりにベッテルもタイヤ交換を実施し、しっかりバトンの前でコース復帰を果たした。その後タイヤの温まりもあって差は2.8秒に縮まったが、ベッテルもペースを取り戻して残り7周となると3.6秒差に開いた。バトンは自己ベストを刻んで追うも、ベッテルは55周目に1分27秒782というファステストラップをマーク。長いストレートがあるセクター1ではマクラーレンの速さが目立つが、コース後半のコーナリングセクションではやはりレッドブルの強さが際立つ。ウェバーがファステストラップを刻むが、ファイナルラップでベッテルが再びファステストラップをたたき出し、トップチェッカーを受けた! ベッテルはシーズン11勝目をマークし、ポールポジション、勝利、ファステストラップのハットトリックを刻んでいる。

2位にバトン、3位にアロンソが入り、ウェバーの攻撃を抑えきった。5位にシューマッハが入り、ロズベルグ、ハミルトン、アルグエルスアリ、スーティル、ペレスまでが入賞圏内。完走19台、リタイア5台という決勝結果だった。17番グリッドからスタートを切った可夢偉は、オープニングラップのアクシデントによりマシンにダメージを負ってリタイアとなっている。

ファステストラップはベッテルが最終周にたたき出した1分27秒249だった。

2週間後に行われる第18戦はアブダビGP。最初のセッションとなる金曜フリー走行は、11月11日(金)日本時間18時にスタートする予定。公式予選は12日の日本時間22時から、決勝レースは13日の日本時間22時から行われる予定だ。

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