中国共産党との内戦に敗れ、1949年に台湾へ逃れた後も毛沢東と対峙(たいじ)し続けた蒋介石(中華民国元総統)について、37~45年の日本軍との全面戦争で果たした役割などに対する肯定的評価が、中国の中華民国研究で最も権威のある「中華民国史」(全36冊)に明記されたことが分かった。蒋介石への全面的評価ではないが、功績については高く評価する流れが定着した形だ。
同書編さんの中心的な立場にいた中国社会科学院近代史研究所の汪朝光副所長が30日までに、時事通信に明らかにした。
同書は81年から順次出版され、今年7月発行された「37~45年」(日中全面戦争期)の計3冊には、蒋介石の戦争への断固たる決意が描写されている。汪氏は「37年以降の抗日問題で蒋に対する評価は肯定的だ」と語った。
共産党にとって、「人民の公敵」と呼ばれ、抗日戦争に「消極的」とみなされてきた蒋介石の評価は複雑かつ微妙な問題だ。しかし大陸の研究者の間では、改革・開放政策が進んだ80年代後半以降、抗日戦争での国民党の役割を見直し、同党を率いた蒋介石についても肯定的に評価する傾向が強まった。

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