週末を迎えるまではウエットレースの可能性も指摘されていたシンガポールGP決勝だが、結果的にはドライコンディションで61周のバトルが繰り広げられた。

勝利をつかんだのはポールポジションからスタートしたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)で、今シーズン9勝目。2位にジェンソン・バトン(マクラーレン)、3位にマーク・ウェバー(レッドブル)が入ったことでタイトル確定とはいかなかったが、残りの5戦で1ポイントを獲得するだけで2年連続ワールドタイトルという栄冠がベッテルの頭上に輝くことになる。

小林可夢偉(ザウバー)にとっては難しい週末になってしまった。フリー走行の流れは悪くなかったものの、予選ではクラッシュを喫して17番手スタートとなってしまい、レースではセーフティカー導入時にピットストップを行うという誤ったチーム戦略によって周回遅れに。この悔しさは次戦日本GPで晴らしてほしいものだ。

レースを終えたドライバーたちのコメントは以下のとおり。

【レッドブル】

セバスチャン・ベッテル(1位)

 

「今日の結果はすごく、すごくうれしいよ。マシンはずっと素晴らしかった。プッシュする必要があるときには楽に引き離すことができて助かったね。セーフティカーが出たとき、残り30周で30秒ほどのギャップを築いていたから、僕らのプランとは本当に合わなかったんだ。でも、リスタートもすごくうまくいった。僕とジェンソン(バトン/マクラーレン)の間にはバックマーカーがいて、すぐにリズムを取り戻せたのでちょっとラッキーだったんだ。ギャップを開くことができてとても満足だった。とにかくすべてがファンタスティックなリザルトだ。このサーキットは本当に大好きだし、ここでのチャレンジも好き。シーズンでも一番長いレースの一つだけど、マシンは最高でエンジン方面でもすべてがすごく良かったよ。ルノーがまた素晴らしい仕事をしてくれて、レースのほとんどでいい位置にいられた。ここでは予選に限らずレースでもすべてのセクターをまとめ上げるがかなり難しいから、そのことがとても役に立ったんだ。すごく満足している。チャンピオンシップについては、次のレースが新たなチャンスになりそうだね」

マーク・ウェバー(3位)

 

「残念なことに、今季は後方からポジションを取り戻さなくてはならないことが多すぎる。 去年切ったようなスタートを今年はできないんだ。このことに取り組まなくちゃならない。僕らはこの問題を検討し、必ず改善する。すごくフラストレーションがたまるし、コース上で後ろからポジションを戻そうとするのは、特にDRS(ドラッグ・リダクション・システム/可動リアウイング)が動作しない場合にとてもリスキーだから、熱心に取り組み続ける必要があるね。結局、今日は多分そのせいでポジションを失ったのだろう。JB(バトン)はいいラストスティントだったから、たとえ彼のポジションが上だったとしても、彼とはいいバトルができたはずだと思うよ。今日はセブ(ベッテル)が勝利に値するし、全体としてはここで表彰台に上れたのはそう悪くないね。もちろん勝ちたくて、それこそ僕ら全員が懸命に目指しているものだけど、ここはすごくチャレンジングな場所なんだ。チームのみんなは週末を通して素晴らしい仕事をしてくれた。特に、ここが決して楽なサーキットではない僕にとってはね。みんなにお礼を言いたい。彼らと、そしてルノーも同様にこの週末ずっと最高の仕事をしてくれて、100%の信頼性だったよ」

クリスチャン・ホーナー(チーム代表)

 

「今日シンガポールで勝つことができたのは素晴らしいパフォーマンスだった。ここは独特な雰囲気のあるカレンダーでも突出した舞台で、マシンにとってもドライバーの身体にとっても、暑くて湿度の高いコンディションからおそらく最もタフで要求の厳しいレースだ。セバスチャンにはミスがなく、レース前半を支配して最後まで優勢だった。どんなリスクも犯さずに今季9度目の勝利を挙げている。路面が汚れている左側からスタートしたマークは他のドライバーと同様に最初のコーナーまでで順位を下げたものの、その後はフェルナンド(アロンソ/フェラーリ)と素晴らしいレースをしており、今日はわれわれの方がフェラーリよりタイヤへの当たりが軽かったようだ。彼はフェルナンドのオーバーテイクに2度成功し、われわれの戦略はレースの最後まで機能した。その上、今日のわれわれのピットストップは最速だったろうから、セバスチャンを2度目の戴冠まで1ポイントのところに押し上げたのは本当に素晴らしいチームのパフォーマンスだったと思う。そうは言っても、われわれの日本GPに対するアプローチは何も変わらない」

【マクラーレン】

ルイス・ハミルトン(5位)

 

「素晴らしいドライブを見せたセブ(ベッテル/レッドブル)を祝福するよ。彼は週末を通じて最高の走りを披露したね。それにジェンソンをも称えたい。彼は僕たちのパッケージを最大限に発揮した時に何ができるか証明してくれたんだ。あと少しで勝利を手にするところだったね。だから、シーズン残りのレースで勝利に挑戦することができるって励まされたよ」

「ペナルティを受けた後は楽しくライバルのマシン勢を攻略できたけど、上位争いができるマシンを持っているのに再び後方からの追い上げになってしまったということには不満だった。僕にとっては、チャンスを逃した週末だった。それでも、いつもと同じようにすべてを忘れるよ。鈴鹿が楽しみだ!」

ジェンソン・バトン(2位)

 

「レースを通じてマシンとタイヤをケアするようにと言われていたんだ。僕がプッシュできた唯一の時間帯は最後の12周を走っている時で、スーパーソフトでセブを追っていた時だよ。すべてを尽くしたんだけど、ギャップを縮めるハッキリとしたペースがなかったんだ。それでも土曜日と日曜日に最適な戦略を持てたと思っているし、現実的にはこれ以上の結果を今週末は求められなかったね」

「事実、今週末はミスをしなかったしチームとして手にしている装備で最高の仕事ができたと思うんだ。僕たちのパッケージで改善するべき部分はいくつかあるけど、鈴鹿は(マリーナ・ベイよりも)僕たちに適しているはずだよ。最近は表彰台を争えているから、次戦はもうひとつ上の段に上りたい!」

マーティン・ウィットマーシュ(チーム代表)

 

「ジェンソンは再び本当に素晴らしい走りをしてくれ、結果的に価値のあるワールドチャンピオンシップポイントを18点も手にすることができた。彼はミスをすることなくペースをコントロールし、素晴らしい仕方でタイヤをケアした。そして最後には慎重さではなく攻撃的な走りで努力を重ね、マリーナ・ベイを攻めたのだ。しかし、タイミング的にバックマーカーという不運に見舞われたが、センセーショナルな勝利を手にすることもできたはずだろう。彼はドライバーズ選手権で2位を保持している」

「ルイスはよりフラストレーションのたまる1日を過ごしたが、彼も素晴らしい情熱を持って5位でチェッカーフラッグを受け、最高のオーバーテイクを見せてくれた。とにかく、彼は5回もピットレーンを走行したのだ。それを考えれば、5位という結果は本当に印象的な成功だろう」

「次は鈴鹿に向かうが、ここはドライバーの観点から言ってF1カレンダーの中で最高のサーキットの1つと言える場所だ。ルイスとジェンソンはそこで最高の名誉を手にすることを狙っている。もちろん、2011年シーズン残りすべてのレースでもそうだろう」

【フェラーリ】

フェルナンド・アロンソ(4位)

 

「残念だけど、今日は表彰台フィニッシュを果たすのは不可能だった。十分に速くなかったし、レースの途中で3番手を走ることはあっても、遅かれ早かれオーバーテイクされてしまうことは分かっていたんだ。もちろん、スタートを決めて何か普通ではないことが発生し、すべてを完ぺきにこなしたら表彰台もあり得ただろうけど、現時点で僕たちのマシンは3番手チームとしてのパフォーマンスしか発揮できないのが真実さ。今日起きた出来事としては、もしセーフティカー導入のタイミングが数秒違ったらウェバー(レッドブル)や予想できない問題を引き起こして状況をさらに難しくしていたバックマーカーたちをかわすことができたんだけど。スタートで履いたスーパーソフトコンパウンドはデグラデーションが激しかったけど、ソフトコンパウンドはレッドブルやマクラーレンと比べると比較的普通な感じだった。週末を通じて戦ったし、チームの働きぶりにはうれしく思っている。というのも、彼らはいつもベストを尽くしてくれたし、僕たちはこのレースでほぼ最善を尽くせたんだ。これから難しい5レースを戦うけど、僕たちのモチベーションは変わらないよ。いくつかの部分では攻撃的に戦うだろうし、防御しなきゃいけない場面もあるだろう。でも、とにかく僕らはベストを尽くすさ」

フェリペ・マッサ(9位)

 

「最終的に非常に難しい結果になってしまい、この落胆と怒りを隠すことができない。ハミルトン(マクラーレン)との接触によって負ったダメージがかなり影響したんだ。激しい渋滞状態にあった序盤でかなりのロスを喫してしまったからね。レース後、僕は彼に説明を求めたんだけど、彼は応えることもせずに立ち去ったよ。だからインタビューエリアで僕の考えていることを伝えたんだ。これに加え、セーフティカーが僕にさらに苦難を与えたね。数周前にタイヤを交換したんだけど、そのスーパーソフトではレースを最後まで走り切ることができなかった。多くのドライバーたちはあまり時間をロスせずにピットストップを行い、レースを振り出しに戻すことができたんだけど。最終的にはバリチェロ(ウィリアムズ)の後ろで時間をロスしてしまい、ベッテルを先に行かせなきゃいけなくなった。それで僕は周回遅れになり、僕の前にいたスーティル(フォース・インディア)やロズベルグ(メルセデスGP)がタイヤに苦しんでいたのに、7位入賞を果たすチャンスを失ったよ。例えばモンツァのように、最近は経験したことがなかったけど今日はトラブルのないレースを望んでいた。今日はトップ6フィニッシュを狙えたはずなんだ」

ステファノ・ドメニカリ(チーム代表)

 

「結果自体は驚きではないが、パフォーマンスについては間違いなく悪い意味でサプライズだった。われわれは予想していたよりも遅かったので、こうなってしまった原因について注意深く分析しなければならない。今後のレースに向けていい練習になるだろうし、さらなる将来に対しても同様だ。フェルナンドはベストを尽くして最後まで表彰台フィニッシュの可能性を狙い、ドライバーズ選手権2位の座も追いかけた。フェリペも浮上することができただろうが、彼のレースはハミルトンとの接触が引き起こしたパンクチャーに影響されてしまったのだ。われわれのブラジリアン(マッサ)はモンツァ同様に再び不運な時間を過ごしてしまい、彼自身の失敗ではないにもかかわらず、後方からの戦いを強いられた。今後のレースに向けて気合を入れモチベーションを維持しなければならない。目標は変わらず、いくつかのレースで勝利を狙っていく。同時に、われわれはマシン特性について出来る限り学習しなければならず、得たものをデザイン部門に渡さなければならないだろう」

パット・フライ(シャシー部門ディレクター)

 

「この結果は現在のわれわれの強さを反映しているものだということを正直に認める必要があるだろう。われわれのマシンは3番手であり、4位完走という結果は予想できたものだ。われわれのパフォーマンスレベルがわれわれの期待と同様であるとは言えない。タイヤデグラデーション、特にスーパーソフトのそれはかなり高く、われわれとしてはその理由を探る必要がある。戦略の面では適切な判断ができたと思っている。フェリペとフェルナンドが数周前にピットストップを行っていたことを考えると、セーフティカー導入は助けにならなかったし、直近のライバルと比較してアドバンテージを得ることもできなかった。最終的にはフェルナンドにソフトタイヤを履かせたが、これは彼のポジションを脅かす唯一のドライバーであるハミルトンを抑えるのに最適な選択だったからだ。残念ながら、その時点で表彰台を得るのは不可能になっていた。残りのレースにどのようなモチベーションを抱いて望むのかということについては、さまざまな仕事を片づけてこのマシンのパフォーマンスを改善し、来年のマシンにつなげるということがある。日本GPと韓国GPには新しいパーツを投入するが、これはそれらの面で有益だろう。われわれはフェラーリであり、残念な結果にも落胆することはないのだ」

【メルセデスGP】

ミハエル・シューマッハ(リタイア)

 

「シンガポールの夜はとても不運な結末になってしまった。僕も少しガッカリしてるよ。あれは僕とセルジオ・ペレスとの間に誤解があったために起きたといえる。彼はインサイドに入ろうとして緩めたが、僕は彼があんなに早くそうするとは思っていなかった。それでぶつかってしまったんだ。レーシングインシデントの1つで、本人たちよりも外部から見た方が大事に見えるのだろう。僕はまったく問題ないし、衝撃もそれほど大きくなかった。クルマとタイヤは好調で、ペースが非常に良かっただけに残念だ。この先のレースに目を向けて、そこではもっといい結末を願うよ」

ニコ・ロズベルグ(7位)

 

「今日の理想順位は6位だったけど、今週末はどうもうまくいかなかった。レース中はリアエンドが苦しく、僕らのクルマは最後までこの要求の多いコースに合わなかった。周囲のクルマよりタイヤのデグラデーション問題を抱えていた上、セーフティカーが出た時に戦略を変えなければならず、まったく進歩できなかった。シンガポールの結果には満足していないけど、アジアでの残りのレースではクルマを改善できるように頑張るよ」

ロス・ブラウン(チーム代表)

 

「われわれにとってはなかなかタフな日となった。予想通りリーダーたちに対抗できるペースはなかったが、トップ6以外には安全なギャップを築くことができた。彼自身も認めているように、マイケル(シューマッハ)のアクシデントが2台ともに悪影響を与えてしまったのは不運だった。自分たちの戦略に不利なタイミングでセーフティカーが出てしまった。ニコはレースの半分以上にわたってタイヤをよく持たせ、いい仕事をしてくれた。7位は上々の結果だろうし、落胆はしているものの今後も仕事を続け、前に向けてプッシュしていく」

ノルベルト・ハウグ(メルセデス・ベンツ・モータースポーツ副社長)

 

「マイケルとセルジオ・ペレスのインシデントでセーフティカーが出るまではいい展開だった。ニコをピットに入れてプライムタイヤを履かせるしか選択肢はなく、彼はそのタイヤでレースディスタンスの半分以上、31周を走り切った。それほど長いスティントでニコはよくタイヤを持たせてくれたと思う。アクシデントが起きる前のマイケルのスピードは現在のテクニカルパッケージからするととても良かったので、ニコの前でフィニッシュできたかもしれないと思うと残念だ。セーフティカーが出ず、ニコに理想的な戦略を適用できれば、もう1つ上のポジションでフィニッシュできただろう。カレンダー上で最も魅力的で、シーズンの中でも最高の映像をもたらしてくれるこのレースを開いてくれた主催者たちに感謝したい」

【ルノー】

ブルーノ・セナ(15位)

 

「タフなレースだったよ。1周目はすごく良かったのに、その後タイヤがひどいデグラデーションに見舞われたんだ。いいラップタイムを保つために一生懸命プッシュしたけど、リアタイヤの摩耗に何とか対応するためにブレーキバランスを調整しなくてはならなかった。ソフトタイヤを履いたときには、スーパーソフトとはまったく違う感じだった。それで、サーキットでも一番遅いコーナーであるヘアピンでタイヤがロックしてウオールに接触してしまった。ここで多くのタイムを失ったこと、そして予定外のピットストップをしたことで僕のレースはとても、とても難しいものになった。僕らにとってはもっといいレースになったはずだと思うけど、僕らは自分たちにできることをしたんだし、日本GPのことを考えるよ。次はもっとR31のポテンシャルを引き出せるといいな」

ヴィタリー・ペトロフ(17位)

 

「今日は忘れたくなるようなレースだった。何より、スタート直後にKERS(運動エネルギー回生システム)に問題を抱え、そのせいで1周あたりコンマ数秒遅くなってオーバーテイクが難しくなった。そして、タイヤの働きがまずくなった。周回遅れになり始めたときに僕は少しスローダウンしなくちゃならなくて、タイヤ圧が下がったんだ。僕らはみんなでなぜこの手のサーキットではマシンのパフォーマンスがうまくいかないのか考えなくちゃならない。今日はいつものようなレベルのパフォーマンスを発揮できなかったけれど、最後の5戦の舞台はR31がよりうまく機能する場所だ」

エリック・ブーリエ(チーム代表&マネージングディレクター)

 

「われわれはタフな週末に向かっていると知りつつシンガポールに来た。R31はストリートサーキットに合わず、ここでその状況が変わると期待できるような理由はほとんどなかった。しかしながら、こう厄介なことになるとも思っていなかったのだ。今日、われわれのマシンが後方に沈み、青旗が振られる中ではっきりりとグリップに苦戦したのはつらい経験だった。このような状況では、カレンダーでも間違いなく最高の舞台の一つをプロデュースしたグランプリのオーガナイザーによる完ぺきな仕事を別として、レースからいかなるポジティブな要素を拾い出すことも難しい。このレースのことは早く忘れ、焦点を鈴鹿に移す。このサーキットの高速コーナーはわれわれに再び微笑みを取り戻させてくれるはずだ。最後に、われわれのスポーティングディレクターだったスティーブ・ニールセンの今後の活躍を祈りたい。今回が、10年以上チームに在籍した彼のわれわれとのラストレースだった」

ジェームズ・アリソン(テクニカルディレクター)

 

「今日のレースは落胆の週末を惨めに締めくくる61周だった。期待を胸に今日に臨んだわけではない。金曜日のレースシミュレーションにおけるペース不足や高いタイヤデグラデーションはレースへの良い材料ではなく、今日も同じような症状だった。ブルーノは最初のピットストップの後にウオールに接触し、損傷したウイングを交換するためのピットストップによって最後方に落ちた。その後、彼は素晴らしいファイティングスピリットを見せて15位までポジションを戻している。また、これまではレースで高い信頼性を見せていたものの、ヴィタリーは序盤にKERSを失ってオーバーテイクが非常に難しくなったことで、さらに戦いを妨げられた」

【ウィリアムズ】

ルーベンス・バリチェロ(13位)

 

「まずはタイヤが厳しい時間を過ごしたということが言えるだろうね。セーフティカーが導入した時、僕たちがポイントを獲得するチャンスを得る唯一の方法はステイアウト(コースにとどまる)だった。同じタイヤでたくさんの周回を走るのは厳しい要求だったし、マッサ(フェラーリ)が後ろに迫ってきた時は何もできなかったよ。彼を行かせたけど、その判断が今日の結果に影響を与えたわけじゃないさ」

パストール・マルドナド(11位)

 

「レースを通じてマシンはかなりのオーバーステアに悩まされたけど、特に第1スティントは顕著だった。リアタイヤを守るためにできる限りのことを尽くしたけど、摩耗が速かったから早めのピットインを余儀なくされたんだ。それでも、それが僕らの戦略に大きな違いを与えたわけではないし、最終的には機能したのも事実だ。いいリズムを得られたし、マッサに安定してついていけた後半は特にそうだった。チームは良かったと思うし、初のシンガポールGPを戦ったということにも満足している」

サム・マイケル(テクニカルディレクター)

 

「今日は2台のマシンで異なった戦略をいくつか試したが、ポイント獲得を果たすのに十分なペースがなかった、両ドライバーはマシンの能力を最大限に発揮してくれたよ。タフなレースだったが、2台のFW33は信頼性のトラブルに見舞われることなく帰ってきてくれた。また、私にとってはAT&Tウィリアムズで戦う最後のグランプリになったわけだが、レースチームおよびファクトリーチームの全員にこの11年間を感謝したい。輝かしい将来になることを祈っている」

【フォース・インディア】

エイドリアン・スーティル(8位)

 

「ここしばらく、僕らの目標は両マシンでポイントを獲得することだったから、今日のポジションにはとても満足できる。僕らが挙げたポイントのおかげで、ザウバーとのチャンピオンシップ順位争いで一息つけるよ。僕にとってはごく普通のレースではあったけど、ロズベルグ(メルセデスGP)が僕の前にきてレースの最後までそこにとどまっていたから、セーフティカー中にいくつかポジションを失ってしまった。30周ほどをソフトタイヤで乗り切らなきゃいけなかったせいで最終スティントはすごく厳しかったね。ペレス(ザウバー)がすぐ後ろにいて、ファイナルラップではマッサ(フェラーリ)が迫ってきた。8位をキープする余裕があってよかったよ」

ポール・ディ・レスタ(6位)

 

「初めてのシンガポールGPはとても楽しくて、結果にすごく満足しているよ。レース中盤ではまだまだスーパーソフトタイヤで行けそうだったからセーフティカーのタイミングが良かったとは思わないけど、逆にそれで大きく不利になることもなかった。そのあとは、ロズベルグを抑え、タイヤをケアしながらマシンを無事に戻すことを考えたんだ。レース終盤には前が空いて助かったし、力強いペースだった。多分、僕のシーズンベストレースだったと思うけど、それも表舞台には出てこないハードワークの結果だよ。ここに持ち込んだアップグレードパッケージのおかげで今日はレースでのパフォーマンスやタイヤのライフが得られ、その恩恵を受けたんだ」

ビジェイ・マルヤ(チェアマン&チーム代表)

 

「今日の結果に喜んでいると言わざるを得ない。両ドライバーがポイントを得られるだけのパフォーマンスがあるとは分かっていたが、12ポイントを得たのには大変満足だ。この結果がわれわれのランキング6位という位置を強化し、5位に近づいている。レースの中でキーとなった瞬間の一つはセーフティカーピリオドで、われわれは2台で同時ピットインをすることを選択した。ピットクルーは並んだマシンに対して素晴らしい仕事をし、それが最終的なポジションを左右している。ポールとエイドリアンは2人とも週末を通して輝かしいパフォーマンスを見せて、どんな間違いも犯さなかった。5レースを残し、われわれは強力な形でシーズンを終わらせられるようこの勢いを生かしていく必要がある」

【ザウバー】

小林可夢偉(14位)

 

「僕にとって非常に難しい週末になってしまいました。速さ的には週末を通じて悪くなかったんですが、レースではトラフィックやセーフティカー導入時の戦略ミスがあり、機能しなかったんです。ドライブスルーペナルティを科されたことにはすごく驚きました。青旗なんて見えませんでしたからね」

セルジオ・ペレス(10位)

 

「10位というのは達成可能な最高結果だったと思う。僕は2ストップ作戦にしてスーパーソフトコンパウンドでスタートし、15周走ってからソフトコンパウンドに交換したんだ。ミハエル(シューマッハ/メルセデスGP)との接触によってパンクチャンピオンーに見舞われたから、2回目のピットストップは予定よりも早めに行った。だから、最終スティントはすごく長くなったよ。レース半分よりも長い距離を2セット目のソフトコンパウンドで走ったんだ。ミハエルの動きはちょっと楽観的過ぎたんじゃないかなと思う。最終的にフェリペ(マッサ/フェラーリ)にポジションを奪われたのは残念だけど、もうタイヤが終わってしまっていたから防御も何もなかった。これからもコンストラクターズ選手権6位の座を争っていくよ」

ジャンパオロ・ダラーラ(トラックエンジニアリング責任者)

 

「今日の1ポイントに満足とは言えない。われわれは今日の結果よりもう少し多くの事柄を期待していたのだ。残念ながら、セーフティカー導入がわれわれにとって適切なタイミングではなかった。そのような状況下でセルジオがベストを尽くしてくれたと思う。正直なところ、セーフティカーが導入されたときに可夢偉をコースに残しておくべきだった。しかし、そうしたとしても彼がポイントを獲得できたとは思わない。パフォーマンスの面では見た目よりも良かったが、トラフィックを上手くかわせなかった」

【トロ・ロッソ】

セバスチャン・ブエミ(12位)

 

「12位という結果は、今日のレースで僕が望むことができた最高の順位だと思うんだ。もし今週末全体を分析するとしたら、ストレートでのトップスピードは優れているのにコーナーでは十分に速くなかったわけだから僕としては十分なダウンフォースがなかったとまとめるよ。でも、もちろん結果論としてこう言うのは簡単なことさ。デグラデーションレベルがかなり高かったから、僕たちは3ストップ作戦を選んだ。僕たちのマシンは鈴鹿みたいなサーキットのほうが競争力を発揮できるだろうから、次戦の日本GPが楽しみだよ。その前に、今日のレースデータを注意深く分析して、こういったサーキット特性におけるパフォーマンスを改善する方法を理解しないとね」

ハイメ・アルグエルスアリ(21位完走扱い)

 

「土曜日の時点で、今回のレースでベストを尽くしたとしても、あまり期待はできないってことは分かっていたんだ。レースが始まって数周後に、すごいオーバーステアを感じたよ。残り数周というところでバリアにクラッシュしてしまい、そこで僕のレースは終わりとなった。僕は2ストップ戦略にしたけど、違う作戦を採ったチームメイトと比較したときに、僕たちが今週末にポイントを獲得することはできなかったと思っている。ドライブスルーペナルティについては、なぜ科されたのかわからないんだ。トゥルーリ(ロータス)との接触は本当に軽いものだったんだからね」

フランツ・トスト(チーム代表)

 

「われわれの週末ではなかったということだ。金曜日に困難を経験したため、われわれは週末のスタートから後方を走ることになってしまった。そのため予選が難しいものとなり、Q2に進んで14番手と16番手という結果を手にしたものの、市街地サーキットでのタフなレースになることは明確だった。今晩はベストを尽くしたが、単純に速さが十分ではなかった。セバスチャンは今日、与えられたパッケージから能力を最大限に発揮した。ハイメについては、今でもなぜ彼にドライブスルーペナルティが与えられたのか私もわからない。それが彼のレースを完全に乱し、戦略に影響した。これから日本の鈴鹿で次戦を戦うが、完全に異なったタイプのサーキットで戦うために改善を見据えなければならない」

【ロータス】

ヘイキ・コバライネン(16位)

 

「今日のパフォーマンスにはすごく満足しているし、チーム全体による素晴らしいレースだったから喜ぶべきだよ。ピットストップ戦略が成功し、クルーが毎回素早く送り出してくれたおかげでペトロフの前をキープできた。レース中ずっとクルマのバランスが良く、タイヤも機能していたからペトロフを引き離し、16位という順位でフィニッシュできた。ここでのアップグレードが小さな前進につながったことも良かったと思うし、それがさらに生きる鈴鹿ではもっと期待できるはず。今日のようなレースの後は次にクルマに乗るのが待ち切れないよ。すごくいい気分でシンガポールを離れ、シーズン残りのレースに臨むことができる」

ヤルノ・トゥルーリ(リタイア)

 

「今日もスタートは素晴らしく、2台のルノーとトロ・ロッソの前に出た。彼らはプッシュしてきたけどクルマの感触はとても良く、楽に彼らを抑えることができた。1回目のピットストップ後も前にいたし、2つ目のセットのタイヤもフィーリングが良かった。でもハイメが僕の左リアに当たり、ピットに戻らなければならなくなったのは残念だよ――本当に不運だ。そこからはポジションを取り戻す戦いだったけど、ギアボックストラブルが起きてクルマを止めるまで、ベストを尽くした。最初から戦えたことについては満足しているし、僕らがレースでうまくやれるというサインだと思う。次の日本ではプッシュし続けられるといいんだけど」

マイク・ガスコイン(CTO/最高技術責任者)

 

「少々複雑な気分だ。われわれとして、特に序盤は最高のレースパフォーマンスだったが、ヤルノについては思うような終わり方ではなかった。第1スティントのヤルノは非常に順調で、われわれは戦略を変更しヘイキを先に入れた。そうすることでその時点で後ろにいたライバル勢をコントロールすることができたんだ。次にヤルノを呼び入れ、彼は戦っていた相手よりも前で復帰したのだが、不運なことにアルグエルスアリにヒットされ、左リアがパンクしてレースが台無しになってしまった。コース復帰後、懸命にプッシュを続けてくれたが、最後はギアボックストラブルでストップとなった。ヘイキはとても力強いレースを見せ、コース上でもピットストップでも、ルノーの1台をペースで上回っていた。2台を完走させられなかったことは残念だが、チーム全体の素晴らしいパフォーマンスだったと思う」

トニー・フェルナンデス(チーム代表)

 

「私にとってはこれまでの短いF1経験でベストレースだったと言っていい。ヘイキのレースは素晴らしく、周囲のマシンにペース面で引けを取らなかったし、後続を引き離す好走だった。ここでの新しいパッケージをとても上手に生かし切ってくれた。ヤルノは再び不運に見舞われてしまい、われわれの戦略もベストではなかったかもしれないが、その時最善と思われる判断だった。このレースから学ぶことは多いだろう。ファクトリーの人々のハードワークが結果となってコースで現れたことがうれしいし、機会さえあれば既存チームと戦えることが分かったのだから、良いシーズンの締めくくりに期待が持てる」

【HRT】

ダニエル・リカルド(19位)

 

「オープニングラップでノーズを壊してしまって僕のレースはあまりエキサイティングとはいかなかったのが残念。マシンが束なってターン8に入っていったから、僕はクリアなラインが取れず、次のコーナーに向けては自分がいたラインをキープしたかったんだけど接触しちゃった。深く行き過ぎたのは僕のミス。その後は何度も何度も青旗に対応しないといけなくなってリズムがうまく取れなかったから、最初のミスが本当に影響した。でも、中盤スティントはそれほど悪くなかったと思う。ちょっとはリズムに乗れたしね。でもレース終盤はさらに青旗が振られて、その時のタイヤでかなり長く走ろうとしていたから、かなり難しかった。それでも何とかやれたし、シーズンで一番厳しいレースで完走できたことは良かったと思う。この先も一生懸命がんばって前進あるのみ」

ビタントニオ・リウッツィ(20位)

 

「今日のレースは本当にきつかった。こういうコンディションでマシンがドライブしづらいっていうだけじゃなく、ちょっと不運もあったからね。レースの前半は良かったんだけど、最後の4分の1は最後のタイヤセットを投入せざるを得なくなった。リア(タイヤ)がダメになっちゃって、予選で使ったセットを履くしかなかったんだ。すぐにマシンのグリップがかなり減っていることに気づいたし、ターン14では別に何か違うことをしたわけじゃないのにフロントをロックしてウオールに触れてしまい、そのせいでウイングが壊れた。だから、もう一度ピットに戻らないといけなかったんだ。ウオールと接触した後のマシンはアンダーステアがひどすぎてドライブするのが本当に難しく、そこからはとにかくチェッカーフラッグだけを目指した。本当にきつかったけど、完走できたことはポジティブだと思っている」

コリン・コレス(チーム代表)

 

「タフなレースになるとは分かっていたし、そうなったが、2台揃って完走するという一番の目標は達成できた。それぞれのドライバーに異なる戦略を採用している。セーフティカー導入の可能性が高いことは分かっていたので、すぐに戦略を調整できるよう代替手段を用意していた。計画は良かったものの、ダニエル(リカルド)がフロントウイングの交換でピットインを強いられたため、予定よりも早くなってしまった。トニオ(リウッツィ)もダニエルもコース上では素晴らしい仕事をしてくれている。状況にうまく対応し、集中し続けた。青旗が振られたにもかかわらず、まずまずいいリズムを保って最後までお互いにプッシュし合ったと思う。今回のレースはこれで終わりなので、今は2週間後の日本でもっといいレースができることを願っている」

【ヴァージン】

ティモ・グロック(リタイア)

 

「チームにとっても僕にとってもガッカリな最後だ。スタートは良かったけど、アウト側にいたからジェローム(ダンブロジオ)にポジションを奪われてしまった。残念なことにその後、第2セクターでリカルド(HRT)がマシンの右リアに突っ込んできて、そこからはステアリングホイールがまっすぐならず、かなり右寄りになってしまい左回りのコーナーはどこも走るのが本当に難しかった。右リアタイヤはかなり劣化が激しかったし、そうしたら突然ブレーキングのときにリアが効かなくなってウオールにぶつかってしまったんだ。リアサスペンションが壊れたんだと思う。それでおしまい。週末を通して必死にがんばってくれたチームにとっては本当に悔しい結果だと思うけど、これがレースだ。今は次の日本でのレースを楽しみにするしかない」

ジェローム・ダンブロジオ(18位)

 

「今日の自分のレースにはとても満足している。いいスタートを決められて最初の2周は必死にプッシュした。その後は2ストップ戦略の予定だったからタイヤをセーブしようと努め、それはうまくいったと思う。最終スティントが長くて簡単じゃなかったけどプッシュできた。それでも、レースの最後までタイヤをケアしないといけなかったから、ずっとそれを考えておく必要があった。とてもいいレースだったと思う。僕は満足しているし、これを続けていかないと。これまでで一番タフなレースだったのは間違いない。でも、たくさん問題を抱えることもなく最後まで走れたからよかった」

ジョン・ブース(チーム代表)

 

「今日のジェロームのドライビングは今年最高かもしれない。いつもならペース面でわれわれより数秒速いマシンと対決する彼を見られて本当に満足している。彼がそれをできたのも、エンジニアによってうまく考えられた戦略があってこそだし、また土壇場での呼び出しやセーフティカーの複雑さがあった中でピットクルーがその戦略を完ぺきに実行したおかげだ。きっと彼は今回のレースで大きな力を得るだろうし、シーズン残りのレースに期待するだろう。残念ながら、ティモ(グロック)のレースはリカルドに追突されたオープニングラップで終わってしまった。彼のお気に入りのコースで彼が活躍するところを見られず本当に残念だ。ガレージにいる皆にとっては非常に暑く湿度の高い週末だったが、いつも通り高いレベルのオペレーションを保つ見事な働きぶりだったと思う」

広告