25日(日)日本時間21時から2011年F1世界選手権第14戦シンガポールGPの決勝レースが、シンガポール市街地サーキット(全長5.073km)で行われた。決勝の周回数は61周、レース距離は309.316km。

前日に行われた公式予選ではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今シーズン11回目のポールポジションをゲット。2番手にマーク・ウェバーが入り、レッドブルがフロントローを独占した。3番手にジェンソン・バトン(マクラーレン)が飛び込み、チームメイトのルイス・ハミルトン、フェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサ(共にフェラーリ)が続いている。小林可夢偉(ザウバー)は予選Q2でクラッシュを喫してそのセッションでタイムを残せず、17番手だった。

“ナイトレース”として現地時間20時がスタートとなるシンガポール市街地は気温が31℃、路面温度は34℃というドライコンディション。タイヤサプライヤーを務めるピレリが今回持ち込んだドライタイヤは、側面に黄色いラインが引かれているソフトコンパウンド(プライム/ソフトタイヤ)と赤いラインが引かれているスーパーソフトコンパウンド(オプション/ハードタイヤ)の2種類だ。

24台のマシンがフォーメーションラップを開始。多くのドライバーがオプションを履いてのスタートを選択したが、Q3でタイムアタックを行わなかったポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)はチームメイトのエイドリアン・スーティルと異なる戦略を採ってプライムを装着。さらにハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)、可夢偉、セルジオ・ペレス(ザウバー)、ティモ・グロック(ヴァージン)、ジェローム・ダンブロジオ(ヴァージン)、ビタントニオ・リウッツィ(HRT)がプライムスタートを選択した。また、可夢偉はレース前にギアボックス交換をしたが、シーズン1回目の予定外の交換は許されているため、ペナルティを受けてはいない。

全車がスターティンググリッドにつき、レーススタート! ベッテルはポジションを守ったが、偶数列のウェバーとハミルトンが遅れ、奇数列のバトンとアロンソがそれぞれ2番手と3番手に浮上。ハミルトンはウェバーに抑えられた後、メルセデスGPの後ろとなる8番手まで落ちてしまった。可夢偉は1つポジションを上げ、16番手につけた。

先頭のベッテルは5周を終えた時点で2番手バトンに7秒という大差をつけ、DRS(ドラッグ・リダクション・システム/可変リアウイング)を使わせない状況に持ち込んだ。ハミルトンは5周目にシューマッハをオーバーテイクし6番手に浮上。この時点で最も間隔が狭まっているのが15番手のセバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)と16番手の可夢偉で、その差は0.5秒と可夢偉がDRSゾーンでDRSを使える状況だが、オーバーテイクを決められるほどには接近できない。

初めてレギュラーのピットストップを行ったのは、9周目の終わりにピットに飛び込んだニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)。5番手を走行していたが、タイヤ交換を終えて16番手でコースに戻った。一方、なかなかペースが上がらないアロンソをウェバーがオーバーテイク! アロンソはその10周目限りで第1スティントを終え、オプションからプライムに交換して9番手でコースに戻った。メルセデスGPはシューマッハのタイヤ交換も行っている。またグロックはターン18でスピンを喫してガードレールにヒット、その後、自らエスケープゾーンに進んでレースを終えた。

12周目、ハミルトンがマッサに仕掛けたが、フロントウイングをマッサの右リアタイヤにぶつけてしまい、マッサはペースを落として緊急ピットイン。ハミルトンはフロントウイングの左側を破損して翼端板を落としたが走行を続け、13周目の終わりにようやくピットに入った。この接触についてはレース審議委員会が審議することになった。

可夢偉はピットストップをせずに10番手までポジションを上げ、さらにシューマッハをコース上でオーバーテイクして9番手に浮上。しかし、シューマッハが抜き返し、さらにスーティルも可夢偉をパスした。先頭のベッテルと2番手バトンは14周目の終わりに1回目のピットストップを行い、それぞれポジションを守ってコースに復帰している。

マッサと接触したことに対し、ハミルトンにドライブスルーペナルティが発令された。15周目を終えたところでペナルティを実行したハミルトンは、一気に18番手までポジションを落とした。この時点でハミルトンは3回もピットレーンに入ったことになる。また可夢偉は16周目の終わりに1回目のピットストップを行い、再びプライムを装着した。

ピットストップを行わずに3番手をキープしていたディ・レスタは19周目にアロンソを抑えきれず、その周の終わりにピットイン。プライムからオプションに交換して8番手でコースに戻った。

30周目にペレスをオーバーテイクしようとしたシューマッハがペレスに追突してしまい、そのまま直進してタイヤバリアに正面からクラッシュ! これでセーフティカーが導入され、ウェバーやフォース・インディア勢、ロズベルグ、さらにベッテルやバトンもタイヤ交換を実施した。またハミルトンもピットストップを行い、9番手まで浮上した。

レースは33周目の終わりからリスタート! 先頭ベッテルは2番手バトンとの間に周回遅れのヤルノ・トゥルーリ(ロータス)、リウッツィ、可夢偉を挟んだこともあり、大差をつけてレースを再開した。ウェバーはターン10の進入でアロンソを攻め、3番手に浮上。ベッテルは再開された34周目に1分51秒139というファステストラップをたたき出し、バトンとの差を9秒まで広げることに成功。そのバトンの34周目のタイムは1分56秒023だ。

ハミルトンはスーティル、ロズベルグ、ディ・レスタのオーバーテイクに成功し、5番手までポジションアップ。また、可夢偉に対してドライブスルーペナルティが下された。理由は青旗無視だ。

47周目の終わりに3番手にウェバーがピットストップを行い、ハミルトンの後ろとなる5番手でコース復帰したが、すぐにハミルトンをオーバーテイクして4番手に。さらに2番手バトンが48周目にタイヤ交換し、同じ周にハミルトンも続いた。バトンの動きを見て、先頭ベッテルも翌周にピットストップを実施。アロンソもタイヤを交換した。そのため、順位は首位ベッテル、2番手バトン、3番手ウェバー、4番手アロンソのままとなった。一方でハミルトンは9番手に落ち、5番手にディ・レスタ、6番手にロズベルグ、7番手にスーティル、8番手にペレス、9番手にハミルトン、10番手にルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)というオーダーに。

プライムタイヤを履いたハミルトンはペレス、スーティル、ロズベルグを料理して6番手までポジションを戻した。その後ディ・レスタもかわしたが、アロンソを追い詰めるまでには至らず。

終盤にアルグエルスアリがクラッシュして黄旗が振られる展開になったものの、先頭ベッテルはポジションを守ってトップチェッカー! シーズン9勝目を挙げた。2位にバトン、3位にウェバーが入り、アロンソ、ハミルトン、ディ・レスタ、ロズベルグ、スーティル、マッサ、ペレスまでが入賞。可夢偉は14位で完走21台、リタイア3台という結果だった。アルグエルスアリはチェッカーを受けられなかったが、完走扱いとなっている。

ファステストラップを記録したのはバトンで、54周目に1分48秒454を刻んでいる。

今シーズンの残りレースは5戦となり、ドライバーズ選手権では首位のベッテルがさらにリードを広げた。次戦日本GPで1ポイント以上獲得すればランキング2位のバトンの結果に関係なくタイトルを決めることになる。またアロンソ、ウェバー、ハミルトンがチャンピオンになる可能性が消滅した。コンストラクターズ選手権ではレッドブルが首位を独走しているが、こちらは戴冠が決まるのはまだ先になるだろう。

2週間後に行われる第15戦は三重県の鈴鹿サーキットが舞台となる日本GP。最初のセッションとなる金曜フリー走行は、10月7日(金)10時にスタートする予定。公式予選は8日の14時から、決勝レースは9日の15時から行われる予定だ。鈴鹿で開催されるのは23回目となる日本GPをお楽しみに!

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