米政府は21日、総額約58億5000万ドル(約4482億円)の武器・装備品を台湾に売却する方針を発表した。台湾が求めていた新型F16戦闘機の売却は見送り、代わりに台湾に配備済みのF16の改良用に新型レーダーなどを売却することとした。

新型F16売却に反発していた中国に配慮した決定と受け止められており「北京(中国政府)の指紋が随所に付いた決定」(ロスレーティネン下院外交委員長)など共和党強硬派を中心に、批判の声が上がっている。

今回の売却にはほかにC130輸送機の部品なども含まれているが、大部分はF16改良関連。今回分を含め約2年で120億ドル以上の武器を台湾に売却することとなる。米政府高官は記者団に「台湾の防衛能力を維持、改善しようとのオバマ政権の意欲の明確な証左だ」と強調。新型機の売却については、「(売らないとの)決定がなされたわけではなく、まだ検討中だ」と語り、将来の売却に含みを持たせた。

◇中国「強い憤り」…米大使に抗議

【北京・成沢健一】米政府が台湾への武器売却方針を議会に通告したことを受け、中国外務省の張志軍筆頭次官は21日、米国のロック駐中国大使を緊急に呼び出し、「強い憤りと断固たる反対を表明する」と抗議した。

米中関係は昨年1月の米国による台湾への武器売却で悪化し、軍事交流が停止した。今年1月に当時のゲーツ国防長官が訪中して軍事交流は本格的に再開したが、張次官は「米側の誤った行為は軍事・安全保障などの交流・協力に損害をもたらすだろう」と述べ、軍事交流を再び停止する可能性を示唆した。

一方で、中国としても次期最高指導者への就任が内定している習近平国家副主席の訪米を年末から来年初めに予定しているうえ、指導部が交代する来年秋の共産党大会を控え、米中関係の決定的な悪化は避けたい考えだ。

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