トヨタ自動車と米自動車大手フォード・モーターは22日、小型トラックとスポーツタイプ多目的車(SUV)向けの新型ハイブリッド車(HV)システムを共同開発することで基本合意したと発表した。原油高を背景に米国をはじめ各国で燃費規制が強化され、環境対応車(エコカー)の開発・販売競争が激化する中、日米の大手が資源を集約し、先進HVの開発コスト低減と価格競争力向上を狙う。

トヨタはこれまでプリウス向けに開発したHV技術を他社に供与したことはあるが、HVシステムを他社と共同開発するのは初めて。両社は22日、新型HVシステムの共同開発に関する覚書に調印。12年までに正式合意し、10年代中に新HVシステムを実用化する。北米市場で主力の後輪駆動式小型トラックとSUVに搭載する計画で、個別の車種への組み込みは、トヨタとフォードがそれぞれ独自に行う。

トヨタとフォードは04年3月にHVで技術提携し、トヨタがフォードにHVシステム制御の特許技術をライセンス供与。フォードはトヨタの特許を使って独自にHVシステムの開発を進めてきたが、共同開発する方が「より高性能のシステムを、迅速に手ごろな価格で提供できる」(フォード幹部)と判断した。米国で会見したトヨタの内山田竹志副社長は「HV技術で十分な経験を持つ両社が力を合わせれば、画期的な新技術を生み出せる」と意義を強調した。

また、両社はインターネットを使って自動車向けに各種情報を提供する技術「テレマティックス」でも協力することで合意した。【米川直己、柳原美砂子】

◇両社の協力は「中長期的に」 豊田社長

トヨタの豊田章男社長は「今回の提携は、まさに『もっといいクルマ』をつくるための提携。フォードとグローバルで中長期的な協力関係を築き、米国の顧客の期待を超えるクルマを届けたい」とのコメントを発表。

一方、フォードのムラリー社長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の共同開発でこれまで以上の低燃費が実現できる。こういう協業は世界的な課題に対応するために必要だ」と提携の成果に大きな期待を示すコメントを出した。

【ことば】ハイブリッド車

電気モーターとガソリンエンジンを搭載し、コンピューターで制御して走る。発進時などは電気モーター、通常の走行時はエンジンを使用するなど状況に応じて切り替える。ブレーキをかけた時のエネルギーをバッテリーに回収するため、二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、燃費効率が高いのが特徴。トヨタ自動車、ホンダなどが市販している。

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