三菱重工業の大宮英明社長は8日午前、東京都内の本社で毎日新聞の単独インタビューに応じ、日立製作所と経営統合に向けた協議に入るとの一部報道について、「現時点で協議に入る事実はない」と述べ、日立とは当初から事業統合を目指していたとの認識を明らかにした。三菱重工のトップが今回の統合問題について発言したのは初めて。

◇当初から「事業」軸

大宮社長は、両社が近く設置すると一部で報じられた統合準備委員会についても、「作る予定はない」と述べ、経営統合の可能性を明確に否定した。

一方で、社会インフラなど一部事業の統合については「(日立と)いろいろと話をしていたのは間違いない」と検討に入っていたことを認め、日立とは当初から経営統合ではなく事業統合を目指していたことを強調した。

今後の事業統合の可能性については、「国内市場が縮む中、海外に出て行くには何でも自前主義ではだめだ」と述べ、他社との連携の重要性を指摘。そのうえで「互いにメリットがあれば、日立に限らず、海外企業とも連携していきたい」と幅広く提携相手を模索する考えを表明した。

三菱重工と日立は、新興国で需要が急増している電力や鉄道などの社会インフラ事業を強化するため、これらの事業統合に向けた検討を始めていた。しかし、今月4日に一部報道で「経営統合に向けた協議に入る」と報じられ、両社は「決定した事実はない」(日立)、「合意する予定もない」(三菱重工)との否定コメントをそれぞれ発表。大宮社長はインタビューで「4日に発表する予定はなかった」と述べた。

関係者によると、将来の経営統合に向けて積極的な日立と、事業統合に限定して検討していた三菱重工との間に温度差があったという。

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