北沢俊美防衛相は2日午前の閣議で、2011年版防衛白書を報告した。東・南シナ海などでの中国の活動について「自国の周辺海域において活動を拡大・活発化させている」と指摘。さらに「今後とも中国は、活動領域の拡大と活動の常態化を図っていくと考えられる」との懸念を示した。
中国の海洋進出に関しては、10年版の白書でも「活動を活発化」と指摘していたが、「拡大」「常態化」という新たな表現を用いて中国の動きにより強い警戒感を示した形だ。
昨年9月の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の際の中国の対応などを念頭に、白書には「高圧的と指摘される対応を示すなど、今後の方向性について不安を抱かせる面もある」とも記述。日本の今後の取り組みについて「(中国の)海軍艦艇の活動や活動拠点の施設の整備状況などを注目していく必要がある」と強調した。
一方、白書は今回、諸外国の政府機関や軍隊などの情報通信ネットワークに対するサイバー攻撃が多発していることに関し、「国家の安全保障に重大な影響を及ぼし得る」と指摘。防衛省の対策として「自衛隊の情報システムや通信ネットワークを防護する機能を向上させていく必要がある」との方針を示した。
北朝鮮に関しては、開発中の新型中距離弾道ミサイルについて「ムスダン」の名称を初めて取り上げるとともに、「グアムが射程に入る可能性がある」とした。
白書の巻頭で東日本大震災の特集を組み、10万人を超える自衛隊員による人命救助・生活支援活動を紹介。自衛隊と米軍との連携について「今後の日米同盟のさらなる深化につながるものとなった」と評価した。

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