よく眠れるようにと、寝る前にビールを一杯。そんな人は多いのでは。でも、よい睡眠を得るのに、寝酒は有効なのか。

確かにアルコールは寝付きを良くする効果がある。脳の神経の緊張をほぐす作用があるためだ。しかし、その効き目が切れるのは早い。寝酒は睡眠の質を落とすなどマイナス面の方が大きいことがわかっている。

人は睡眠時、脳は比較的活発に活動して眠りの浅い「レム睡眠」と、脳は休んで眠りの深い「ノンレム睡眠」を約90分周期で繰り返す。しかし、飲酒はそのリズムを狂わせる。日本大学医学部教授の内山真さん(睡眠医学)は「深い眠りが少なくなり、浅い眠りが増えるという非効率な睡眠となる」と指摘する。その結果、小さな物音で夜中に目が覚めるなど、快眠が妨げられてしまうという。

寝酒の習慣化も問題だ。脳がアルコールに慣れてしまい、今までの飲酒量では寝付けなくなるからだ。アルコール摂取量の増加につながり、最終的には「アルコール依存性睡眠障害」になる。

それにもかかわらず、日本では寝酒をする人は多い。

フランスの製薬企業が2002年、ドイツなど10か国の約3万5000人を対象に実施した国際睡眠疫学調査によると、日本人の5人に1人は不眠に悩んでいるが、医師に相談するのは8%と10か国で最低。反面、不眠の解消をお酒に頼る人は30%で最も多かった。

内山さんは「睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。悩む人はお酒に頼らず、医療機関を受診し、適切な指示を受けてもらいたい」と話している。

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