■ 幅広い層に浸透してきた Android 端末

Android 端末の勢いが止まらない。BCN ランキングでは、6月の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの割合が52.6%に達し、集計開始以来、初めて5割を突破。販売台数ランキングでは、2010年7月以降、連続1位を続けてきた iPhone4を抑え、Android2.3を搭載した GALAXY S II が首位を獲得した。アーリーアダプターばかりでなく、マジョリティ層に Android スマートフォンが浸透してきたことがみてとれる。

幅広い層に Android スマートフォンが浸透する大きな要因となったのが、キャリアメールに加え、赤外線通信、ワンセグ、おサイフケータイなど、フィーチャーフォン由来の機能に対応したことだろう。特に、7月23日から「モバイル Suica」が Android スマートフォンにも対応したことで、スマートフォンにおけるおサイフケータイの重要性が高まってきている。

■ そもそもおサイフケータイとは何か

そもそもおサイフケータイとは、ソニーが開発した非接触 IC 技術をもとに開発した携帯電話向け IC チップ「モバイル FeliCa」を搭載した携帯電話や、そのサービスのことだ。電子マネーや IC 乗車券機能のほか、会員証や身分証明書として使われたり、携帯電話がマンションやロッカーの鍵になったりするサービスも提供されている。

モバイル FeliCa IC チップは高度なセキュリティ機能とアプリとの連携機能を持ち、携帯端末を読み取り機(リーダー/ライター)にかざすだけで瞬時に情報をやり取りする。かざして情報をやり取りするのはプラスティックの FeliCa カードも同じだが、モバイル FeliCa は複数のサービスを1台の携帯端末にまとめられるのが利点だ。さまざまなサービスに対応したアプリを端末に導入することにより、1台の端末で複数のおサイフケータイサービスを利用できるようになる。

携帯端末のディスプレイで情報を確認できるのも、モバイル FeliCa の大きなメリットだ。特に、Android 端末ではウィジェットをホーム画面上に配置し、アプリを起動せずとも情報を確認できるのが特徴だ。

そして、セキュリティ性能に優れていることも大きなポイントだ。モバイル FeliCa IC チップは、セキュリティ評価基準の国際標準で民間として最高レベルの ISO/IEC15408 EAL4 の認定を受けており、安全性が高く評価されている。また、FeliCa はリーダー/ライターと情報をやり取りする際に、その都度データの暗号化と相互認証が行われているので、不正利用を発見しやすい。

しかも、IC カードロックや遠隔ロックといった携帯電話のセキュリティ機能が安全性をさらに高める。お財布や現金なら紛失してしまえばそれまでだろうが、おサイフケータイなら紛失した際にこれらのロック機能で第三者による使用を防げる。財布にカードを何枚も入れて持ち歩くより、おサイフケータイの方が安全だといってもいい。セキュリティに不安があっておサイフケータイの利用を控えているのだとしたら、それはもったいないことだ。

■ スマホでモバイル Suica を使ってみる

おサイフケータイといえば、モバイル Suica は外せないサービスだ。7月23日にスマートフォンに対応したので、さっそくアプリを導入して利用してみよう。

初めてモバイル Suica を利用する場合は手続きに則って進めていけばいいが、フィーチャーフォンでモバイル Suica を利用していた場合は、機種変更手続きを行ってチャージした電子マネーや設定データをサーバーに預け、新しい機種で受け取る必要がある。旧機種に SIM カードを差し替えることができるなら、モバイル Suica のデータ移行作業が行える。旧機種でモバイル Suica アプリを起動し、会員メニュー内の「携帯電話の機種変更」メニューから処理しよう。旧機種でアプリを起動できない場合は、スマートフォンでモバイル Suica を開始後に再発行手続きが可能だ。

旧機種での機種変更手続きが終わったら、スマートフォンでモバイル Suica のデータ受け取り作業を行なう。アプリ一覧などにあるおサイフケータイのアイコンから、モバイル Suica のダウンロードサイトにアクセスしアプリを導入。指示に従って確認事項に同意し、初期設定画面で「再発行や機種変更の方」でログインする。データを受け取るには、モバイル Suica に登録した携帯電話のメールアドレスとパスワードの入力が必要だ。

スマートフォンのモバイル Suica には、スマートフォンならではの機能としてウィジェットが用意されている。ホーム画面におなじみのキャラクターが表示され、隣のスイカアイコンをタッチすると電子マネーの残高を確認することが可能だ。また、ペンギンをタッチするとアプリが起動。すぐにチャージができる。

電車の中でメールや Web を閲覧し、そのまま改札でタッチ&ゴー。さらに電話をかけたり、自販機でドリンクを買ったり、コンビニで雑誌を買ったりと、これらがすべて財布を出さなくてもできてしまう。少しの手間がなくなるだけだと思われるかもしれないが、それがとても快適なのだ。

■ Android ならではの「Push 送信」機能にも期待

ところで、おサイフケータイには、電子マネー決済や会員証などの機能に加えて、おサイフケータイ同士をかざすことで、相手の端末の特定の機能を起動したり、端末間でデータのやりとりをしたりできるアドホック機能がある。

アドホック機能は、モバイル FeliCa IC チップの通信機能を活用して、任意のおサイフケータイ対応 Android 端末から他のおサイフケータイ対応 Android 端末に、さまざまなデータを送れる機能だ。アプリから別のアプリを呼び出して処理を受け渡す Android 特有の「インテント」も送信でき、アプリ同士を簡単に連携させることができる。

このアドホック機能には、「FALP(FeliCa Ad-hoc Link Protocol)機能」と「Push 送信機能」の2種類がある。FALP 機能は端末内の画像など、大きめのデータを送受信できる機能。一方、Push 送信機能は、FALP 機能ほど送れるデータ量は多くないが、相手の端末のブラウザやメーラーを起動し、指定したサイトにアクセスさせたり、送信メールを自動で設定させたりすることができる。

すでにゲームやエンターテインメント系のアプリでこの機能を搭載しているものがあり、200万人の会員数を誇る位置ゲーの「コロプラ+」でも、アプリダウンロードの誘導から友達登録などで Push 送信機能が使われている。ちなみにコロプラ+では現在、この Push 送信機能を使って友達招待を行うと、アイテム「ウェルカム隕石」が期間限定でプレゼントされる。

■ モバイル Suica でスマートフォンの可能性が広がる

ゲームなどのエンターテインメント分野まで活用範囲が広がってきたおサイフケータイ。もちろん、電車に乗ったり買い物ができたりといった従来のサービスも着実に広がっており、都市圏だけでなく、海や山、スキー場などのレジャー施設などでもおサイフケータイを利用できる場所が増えてきている。使えば必ず便利さを実感でき、かざすだけで済んでしまうことで大きな開放感を得られるはずだ。

また、7月からは、おサイフケータイを使ったお得な情報を紹介するサイト「かざしてお得サイト」がスタートした。サイトでは、クーポンやポイント倍増キャンペーン、かざして遊ぶゲームなど、おサイフケータイでお得になるサービスをまとめて紹介している。おサイフケータイ対応機種なら、端末にプリセットされているおサイフケータイアイコンから、カンタンにアクセスできる。その他の機種は http://ap.pitsquare.jp/otoku/d/(ドコモ)、http://ap.pitsquare.jp/otoku/k/(au)、http://ap.pitsquare.jp/otoku/s/(ソフトバンク)から利用できる。

さらに、ドコモでは9月30日まで、おサイフケータイのサービスを登録することでプレゼントをもらえる「スマートフォン×おサイフケータイキャンペーン」も展開中だ。スマートフォンへ乗り換えを機に、おサイフケータイの利用も検討してみてはいかがだろうか。

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