中国の鉄道当局が高速鉄道事故で高架橋から落下した先頭車両を土中に埋め、事故からわずか1日半で運転を再開したことが反発と疑念を生んでいる。

事故現場では25日午後、列車が速度を落として警笛を鳴らしながら走行していた。市内の衣類メーカーに勤める林仁慶さん(33)は「1日半で安全が確認されるとは思えない。当面の移動は車か飛行機を使う」。寧波からの高速列車で温州南駅に到着した林思思さん(21)は「大丈夫かと緊張したが、便利なので使わざるをえないのが実情」と話した。

05年4月に兵庫県尼崎市で起きた福知山線脱線事故で、現場検証や安全検査後に営業運転を再開したのは55日後だった。だが、中国では早期の運転再開は珍しくない。08年4月に山東省で70人が死亡した列車の正面衝突事故では、翌日に運転を再開した。

北京・上海間を結ぶ高速鉄道(中国版新幹線)も6月末の開業後、トラブルが相次いでおり、25日夕にも安徽省定遠付近で送電設備に不具合が生じ、列車が一時停止するトラブルがあった。

日本の鉄道評論家やJR、事故調査の専門家らは、中国当局が列車を埋めたことに「必要性が分からない」と一様に首をかしげる。鉄道評論家の川島令三さんは「中国がどのような形で運行を記録しているのか判然としないが、都合の悪い結果が出ないように埋めた面があるのではないか」と見る。

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