セーフティカー先導でのレーススタートは、2009年中国GP以来

24日(日)日本時間15時から2010年F1世界選手権第17戦韓国GP決勝レースが、韓国インターナショナル・サーキット(全長5.621km)で行われた。決勝の周回数は55周、レース距離は309.155kmだ。

前日に行われた公式予選では、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にチームメイトのマーク・ウェバーが入り、前戦日本GPに続いてレッドブルがフロントローを独占した。3番手にフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、4番手にルイス・ハミルトン(マクラーレン)、5番手にニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)が続き、日本人ドライバーの小林可夢偉(BMWザウバー)は12番手、山本左近(HRT)は23番手でいずれもチームメイトを予選で上回ってみせた。

今週末の韓国GPにブリヂストンはソフトコンパウンド(オプション/ソフトタイヤ)とハードコンパウンド(プライム/ハードタイヤ)という2種類のタイヤを投入。しかしレーススタート予定時刻である15時の時点では、気温19℃、路面温度18℃、湿度86%のウエットコンディション。路面がかなり濡れていることもあり、スタート時間が10分延期されることになった。その後、レースはセーフティカー先導でスタートとなった。

セーフティカーに続くベッテルは2分48秒942というラップタイムで2周目を終了。しかしコンディションが向上する気配はなく、3周のセーフティカーランを終えたところでレースは赤旗中断となった。24台のマシンは再びグリッド上でエンジンを停止。各チームのメカニックが飛び出してタイヤを外し、レッドブルやルノーのようにマシンリアエンドにカバーをかけて待機するチームもあった。

その後、長らく待機状態が続いたが、16時5分からセーフティカー先導で4周目からレースが再開。このリスタート時は、全車にウエットタイヤの装着が義務づけられた。ドライバーズ選手権4位で追いかける立場となっているハミルトンは無線で「コンディションは悪くないし、路面はどんどん乾いていっている。アクアプレーニングもまったくない」と語り、暗にレース続行を要求。

35分ほどのセーフティカーランが続いたが、雨量が落ち着いたこともあってレースは17周目の終わりからリスタート! ベッテル、ウェバー、アロンソはポジションを守ったが、ハミルトンはバックストレートエンドでロズベルグにかわされて5番手にダウン。9番手のミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がロバート・クビサ(ルノー)をかわし、エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)が11番手に浮上。しかし19周目のターン1でオーバーテイクを狙いにいき、コースオフを喫した。

リタイア後「完全に自分のミス」と明かしたウェバー

 

19周目のセクター3で2番手のウェバーがアウト側の縁石に乗り上げ、コントロールを失ってスピン! ウオールにヒットし、再びコースに戻ってきたところでロズベルグと接触してリタイアとなった。このクラッシュで再びセーフティカーが導入されることとなったが、ドライバーズ選手権首位を走るウェバーにとっては痛すぎるノーポイント。このタイミングを利用し、ザウバーの2人をはじめとする中団勢がピットインしてインターミディエイトタイヤに交換。上位進出のためにギャンブルに打って出た。

レースは23周目の終わりからリスタート。大きな順位変動はなかったが、先頭のベッテルは水を得た魚のごとく快走を見せ、1周で2番手アロンソに2秒差をつけた。アロンソに続くのは、ハミルトン、フェリペ・マッサ(フェラーリ)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、シューマッハ、クビサ、ニコ・ヒュルケンベルグ、ルーベンス・バリチェロ(共にウィリアムズ)、スーティルというオーダー。

29周を終えると、バトンとスーティルがピットに入り、インターミディエイトに変更。しかしスーティルがスピンを喫する場面もあり、まだ路面状態はウエットタイヤ向きのようだ。一方、30周目には2番手のアロンソが1分53秒268というファステストラップをマーク。

31周目にはターン3でセバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)とティモ・グロック(ヴァージン)が接触! 真後ろにいた可夢偉はなんとか避け、12番手にポジションを上げた。ブエミはフロントサスペンションが壊れ、マシンを降りている。

このクラッシュで再びセーフティカーが導入された。これを見てまずハミルトン、マッサ、シューマッハらがピットに入り、次の周にベッテル、アロンソがインターミディエイトへ交換。しかしアロンソのピット作業中、右フロントタイヤの装着時にホイールガンからナットが外れてしまったことで時間がかかり、ハミルトンに逆転されてしまった。

レースは34周目からリスタート。2番手に浮上したハミルトンはターン1でコースオフを喫し、アロンソが難なく2番手の座を取り戻した。一方、10番手を走っていた可夢偉はターン3でビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)に抜かれ、11番手に落ちた。その後ろにバトンとスーティルが続いていたが、スーティルがバトンに仕掛けた際にバトンはコースオフし、15番手に落ちてしまった。

可夢偉はその後もメルセデスエンジンを積むスーティルのプッシュを受け、ターン3でオーバーテイクを許した。しかしクロスラインで対抗し、その後のターン4でスーティルのミスを誘い、11番手を取り戻している。

度重なるアクシデントにセーフティカーが大活躍
レースは39周目。先頭を走るベッテルが前の周に1分50秒852というファステストラップをたたき出したが、39周目は3番手のハミルトンが1分50秒710というファステストラップで対抗。2番手アロンソのギャップを縮めた。

41周目にペトロフが最終コーナーでコントロールを失い、タイヤウオールにハードヒット! ペトロフは自力でマシンを降りたが、ポイント獲得のチャンスを失うことに。これで可夢偉が10番手に浮上した。

レースは42周を消化したことで正規周回数の75%を走破。これでフルポイントレースになることが決定した。ウェバーにとっては厳しい韓国GPになってしまった。

レースは45周目。韓国インターナショナル・サーキットの上空がだいぶ暗くなってきたこともあり、先頭のベッテルは「(暗くて)ブレーキングポイントが見えなくなってきた」と無線で連絡。一方、さらに上位に進出したいハミルトンは「(明るさは)問題ない」と無線で話した。

すると45周目の最終コーナーでベッテルのエンジンにトラブルが発生! 見る見るスピードが落ちていき、ターン1でアロンソがオーバーテイク! ベッテルはターン2を過ぎたところでリアエンドから大きく白煙を上げ、バックストレートでマシンを止めた。フロントローを独占したレッドブルだが、レースは厳しい展開になってしまった。

45周目にスーティルがターン4で可夢偉に仕掛けたが、コントロールを失って可夢偉と接触! スーティルは大きくコースオフして順位を下げたが、可夢偉のマシンには大きなダメージはないようで、9番手というポジションを守った。

51周目の終わりに8番手のヒュルケンベルグがピットイン。直前にコースオフを喫しており、タイヤがかなり厳しい状況になったためのようだ。これにより、可夢偉が8番手にポジションを上げた。

最後のどんでん返しで勝利をつかんだアロンソ
 

すでに予定の日没時刻を過ぎかなり暗い状態となったが、レースは続行。先頭のアロンソは正確無比なドライビングを見せ、見事トップチェッカーを受けた! これでシーズン5勝目を挙げ、ドライバーズ選手権で首位に躍り出た。2位にハミルトン、3位にマッサが続いている。

4位以下はシューマッハ、クビサ、リウッツィ、バリチェロ、可夢偉、ニック・ハイドフェルド(共にBMWザウバー)、ヒュルケンベルグまでがトップ10。可夢偉は今シーズンの目標だった30ポイントを上回っている。

これでドライバーズ選手権首位に躍り出たのは231ポイントを獲得したアロンソ。220ポイントのウェバーが2位、210ポイントのハミルトンが3位、206ポイントのベッテルが4位、189ポイントのバトンが5位となった。

レースのファステストラップは42周目にアロンソが刻んだ1分50秒257だった。

第18戦となる次戦はブラジルGP。最初のセッションとなる金曜フリー走行1回目は11月5日(金)の日本時間21時からスタート予定だ。

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