11日(木)に行われたヘレステスト2日目で1分19秒950というトップタイムを刻んだのは、BMWザウバーC29を駆る小林可夢偉だった。

セッション残り時間11分というところでこの日3回目の赤旗中断となったが、ジェンソン・バトンがマクラーレン・メルセデスMP4-25をコース上で止めたのがその原因だ。赤旗が解除された時には残り時間34秒となっており、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)、ロバート・クビサ(ルノー)、可夢偉が走行を重ねることができた。

この日は、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)がマークした1分20秒026が長らくトップタイムとなっていた。トロ・ロッソの広報担当者は『ESPNF1』に対し、「われわれが今日行った基本的プログラムは、新しい空力パーツの比較、燃料搭載量の変化による推移の観察、タイヤコンパウンドの評価だった」とコメント。先週のバレンシアテストではソフトおよびスーパーソフトコンパウンドを試していたが、今週はハードおよびミディアムコンパウンドのブリヂストン・ドライタイヤを履いている。ブエミは2番手でこの日の作業を終えた。

テスト初日となった10日(水)は雨が常に落ちる状況だったが、2日目は太陽に恵まれた。しかし、昨日に降った雨の影響で路面が乾くまでに、セッション開始から1時間以上を要した。

メルセデスGPは前日のニコ・ロズベルグに替わってシューマッハがW01をドライブ。同じく、ルノーもヴィタリー・ペトロフからクビサがマシンを引き継いだ。この日のセッションがドライコンディションになることが分かったため、チームはペトロフではなくクビサを起用することにしたのだ。

それ以外のチームはテスト初日と同じドライバーを起用した。ウィリアムズはニコ・ヒュルケンベルグ、フェラーリはフェルナンド・アロンソ、フォース・インディアはビタントニオ・リウッツィ、レッドブルはマーク・ウェバー、ヴァージン・レーシングはティモ・グロック、そしてザウバーは可夢偉だ。

この日1回目の赤旗中断となったのはセッション開始から22分が経過したときのこと。ヒュルケンベルグが駆るFW32はハイドロリック系の漏れが発生し、それによってコスワースエンジンがシャットダウン。ヒュルケンベルグはこの日の4周目にコース上でのストップを余儀なくされた。チームによれば、午前中のプログラムは「空力および重量配分のテストと、クーリングラン」だったようだが、マシン修復には3時間ほどを要した。

セッション中盤になるとヒュルケンベルグはコースに戻り、すぐにタイムアップ。最終的に1分20秒629をたたき出して3番手でこの日の走行を終えた。

4番手にはフォース・インディアのビタントニオ・リウッツィ。1分20秒754をマークしたが、アンダーステアを抱えてフロントタイヤにはグレイニングが発生したとのことだ。しかしチームは、大量のデータを収集できた模様。

シューマッハはコーナリング開始時のドライビングについてさまざまなパターンを試していたが、メルセデスGP W01はコーナー奥までブレーキングを遅らせて鋭角に曲がるよりも、スピードを抑え気味にしてジェントルにターンインするほうが好ましいマシンのようだ。シューマッハは最終的に1分21秒083というベストタイムを刻み、5番手だった。

長らく1分21秒337という6番手タイムが自己ベストだった可夢偉は、ほかのドライバーと同じく、この日のドライコンディションに満足している様子だった。「幅が狭いフロントタイヤと巨大化した燃料タンクにより、個人的にもさまざまなことを学ばなければいけません。だから、できるだけ多くマイレージを稼ぐことは僕たちにとって素晴らしいことなんです」と語っている。

一方、前日にテストしたブリヂストン製のインターミディエイトタイヤとウエットタイヤについては、摩耗が急激に進むことを訴えていた可夢偉。「みんなインターミディエイトタイヤには手こずっていました。10周も走ると、まるで雨の中をスリックで走っているみたいでしたね。おそらく、幅が狭くなったフロントタイヤが違いを生んだんでしょう」とコメントした。

今回のテストが休日である13日(土)まで行われる理由の1つに、スペインの英雄であるアロンソがドライブするために大勢の観客を集めることができるというものがある。しかし皮肉にもフェラーリは、アロンソの起用を10日と11日に限定しており、12日と13日はフェリペ・マッサがドライブする予定となっている。

そのマッサは11日にサーキット入りし、主に最終コーナーに陣取ってライバル車の挙動に目を光らせていた。マッサの観察によると、バトンの着座位置は高すぎる一方、シューマッハはかなり低い位置にシートを合わせていたのが印象的だったようだ。

この日のアロンソはロングランやピットストップ練習に集中し、燃料を多く積んでタイヤに負荷を与えるというレースを意識したシミュレーションを実施した。彼のロングランタイムを見てみると、8周を走りきったところで2秒のドロップオフがあり、これはタイヤのグリップレベルが下がったことが原因と考えられる。この日のアロンソは午前中だけでレース距離の3分の2にあたる212kmを走破し、最終的には129周を走って1分21秒424という7番手タイムを記録している。

ルノーは、ペトロフに代わってドライブしたクビサが8番手となる1分22秒003をマークした。

10日にはオイル漏れによって半日分の走行を無駄にしたレッドブルだが、この日はウェバーが99周を走破。1分22秒043という8番手タイムを刻んでいる。

「まだ早いけど、このマシンについてかなり自信を持てるようになった。この時期だと僕らがどの位置につけているかはわからない。もちろん、僕らはライバルたちと戦うためにここにいるんだし、それこそバーレーンで僕たちがやることさ。だけど今のところは、どういう状況になるかということを知るのはとても難しい。マシンについては満足しているし、今月はさまざまなことを学べるだろう。今月末にラップタイム推移を見守るための作業を行っているんだ」とウェバーは語っている。

2回目の赤旗が提示されたのは午前11時10分。グロックが駆るVR-01のフロントウイングが脱落し、前輪で踏んでしまったのだ。チームはまだスペアのフロントウイングをあまり持っておらず、コンテナの第2便が到着するまではテストスケジュールを中断せざるを得ない状況となった。

「午前中にフロントウイングのマウント部分にトラブルが発生し、それによって走行序盤にフロントウイング脱落が発生した」と語るのはヴァージン・レーシングのテクニカルディレクターを務めるニック・ワース。

「その脱落についてはすでに理解できている。残念ながらいくつかのスペアパーツが足りず、それらが今晩到着すると期待している。よって、本日はこれ以上の走行はできない」

「ここまでに経験したのはわずかな走行チャンスだったものの、励まされる結果を得ることができた。重要な空力データをいくらか収拾でき、それらは予想していたものだったのだ。明日の午前中にプログラムを継続できることを楽しみにしている」

天候に恵まれたこの日は気温も高く、15℃ほど。路面温度は28℃まで上昇した。

【ヘレス – 2010/02/11】

1. 小林可夢偉 – BMWザウバーC29 – 1:19.950 – 103周
2. セバスチャン・ブエミ – トロ・ロッソ・フェラーリSTR5 – 1:20.026 – 121周
3. ジェンソン・バトン – マクラーレン・メルセデスMP4-25 – 1:20.618 – 83周
4. ニコ・ヒュルケンベルグ – ウィリアムズ・コスワースFW32 – 1:20.629 – 67周
5. ビタントニオ・リウッツィ – フォース・インディア・メルセデスVJM03 – 1:20.754 – 80周
6. ミハエル・シューマッハ – メルセデスGP W01 – 1:21.083 – 124周
7. フェルナンド・アロンソ – フェラーリF10 – 1:21.424 – 129周
8. ロバート・クビサ – ルノーR30 – 1:22.003 – 103周
9. マーク・ウェバー – レッドブル・ルノーRB6 – 1:22.043 – 99周
10. ティモ・グロック – ヴァージン・コスワースVR-01 – 1:29.964 – 11周

アグレッシブな走りを見せる可夢偉
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