ライトパネルズマイクロ

 写真を撮るにあたって究極の光は自然光だが、望む自然光を確保できない場合も多い。そんなとき必要な機材となるのがハロゲンランプやストロボといった照明だ。近年は電球や蛍光灯などに加えて、白色LEDを使用した製品も登場している。

 今回紹介するLEDライト「ライトパネルズマイクロ」(3万5,070円)もその中の一つ。米LITE PANELS社の製品で、国内ではマンフロットが代理店を務める。

 48個の白色LEDを使用し、無段階での調光に対応。単3電池4本で駆動する。なお、96個のLEDを搭載し、ボールヘッド雲台を付属する「ライトパネルズマイクロプロ」(6万9,930円)も販売している。

 マンフロットが国内で取扱う「ライトパネルズマイクロ」シリーズは、ラインナップの中でも小型モデルと見られる。もともとは映画、ドラマ、テレビ番組などの制作現場で使用されている製品で、そのようなシーンではより大型なモデルを使用しているようだ。

 LEDは信号機や電球をはじめ、液晶ディスプレイのバックライトなどで使用されている。写真用の照明としても、同型の製品を複数社のラインナップで見かけるようになった。

 LEDライトの特徴は、電球や蛍光灯などと比べて速い周波数で点滅(あるいは常時点灯)するため、フリッカーがほぼ発生しない点だ。フリッカーとは、蛍光灯など点滅する光源下で発生するちらつきのこと。撮影するたびに異なるホワイトバランスで写ったり、速いシャッター速度で撮影したときに意図せず暗く写るなどといった形で写真に影響を与えるものだ。

 なおLEDの持つそのほかの特徴としては、低消費電力と低発熱が挙げられる。例えばライトパネルズマイクロでは、アルカリ乾電池で1.5時間、リチウム電池で7時間の連続照射が可能。長時間点灯した場合、発光面はあまり熱を持たないものの、回路や電池ボックスのある裏側はそれなりに熱くなる。

発光面には48個のLEDが並ぶ ホットシューやアクセサリーシューに取り付けられる
前後に傾けられる 上部のつまみはスイッチと光量調節を兼ねる
電源は単3電池4本 ACアダプター(別売)も使用可能
タングステン、アンバー、ディフューザーといった3種類のフィルターを付属する 枠にフィルターを挿入しているところ
フィルター枠は可動式 ホットシューに着けて照射しているところ。外して手で持ったり、スタンドに取り付けて使用できる

 ライトパネルズマイクロの重量は単3電池(ニッケル水素充電池)込みの実測値で約233g。LED電源を使用しているため、電球や蛍光灯に比べて軽量という点も特徴といえるだろう(参考までに、筆者が普段使用しているペンタックスのクリップオンストロボ「AF540FGZ」の重量は電池込みで487g)。

 光の強さは、本体上部のつまみで調整できる。つまみを回すと電源が入る仕組みになっているが、LEDが点灯し始めるのはつまみを半分以上回してから。よって光量の調節範囲は意外と狭い。

 アクセサリーシューやホットシューに装着できるが、手に持って直接照射角度を変えることも容易だ。特に三脚でライブビュー撮影をする場合は、光源位置の変化によるライティングの変化を確認しながら撮影できるので、手に持って光源を動かす手間はかかるが大変便利だ。

 最大光量ではコントラストが強く、メリハリのある写りになる。光量を弱めるに従って、より柔らかい絵になる印象を受けた。

 以下では、実際にライトパネルズを使って撮影した作例を掲載する。撮影環境は室内。室内灯はつけず、向かって左側から、窓からの自然光が差し込んでいる。ホワイトバランスは太陽光。

照射なし 正面から照射
上から照射 下から照射
右から照射 左から照射
右奥から照射 左奥から照射
照射なし
正面から照射 上から照射
右から照射 左から照射
右奥から照射 左奥から照射

 カタログによれば、距離による照度は0.6mで560lx、1.2mで280lx、1.8mで70lxとなっている。感覚としては、少し離れただけでも光の印象はかなり変わる。2mも離れれば、フィルターなしで直射した場合でもかなり効果が減衰しているように思える。

 照射範囲は無地の白壁をフィルターなしで直射して目視した。照射範囲はおよそ30cmの距離で直径20cm程度、60cmで50cm程度、90cmの距離で80cm程度に見え、距離が離れるほど光は弱く、また拡散していくように見えた。

照射なし
距離30cm 距離60cm 距離90cm
距離50cm(照射なし)
距離50cm(光量弱) 距離50cm(光量強)
距離1m(照射なし)
距離1m(光量弱) 距離1m(光量強)
距離1.5m(照射なし)
距離1.5m(光量弱) 距離1.5m(光量強)

 ライトパネルズマイクロを使ってみて強く感じた利点は、その小ささと軽さによる取り回しのよさだろう。作例の撮影中も1人で色々な角度から照らしつつ撮影したが、ストレスにはならなかった。手持ちで手軽に光源が確保できるという点はやはり大きく、今回は花のマクロ撮影だったということもあるが、少なくとも電球や蛍光灯のライティング機材で同じことをしようとしたら、もっと大掛かりになったことは想像に難くない。

 ただ光量については、ある程度の距離まで離れてしまうと効果が薄れる。また、LEDの光は直進性があるため、直射してしまうとさすがに不自然になる。好みに合わせてディフューザーを用意した方がいいかもしれない。

 想定されるシーンとしては、今回試したような接写や、ディフューザーを活用してのポートレートといったところだろうか。フリッカーが発生しづらいという特性から、動画にも好相性だろう。

 ただし、広範囲に渡る照射はできないし、光量もそれほど多くはないので過信は禁物だ。より強力な光源を求めているなら、上位機種の「ライトパネルズマイクロプロ」を検討すべきかもしれない。

 とはいえ、小型軽量、低発熱、低消費電力といった特性はLEDならではといえる。初期投資はそれなりに要求されるが、自分の使い方に合致すると感じるならば、ライティング機材の選択肢に加えてみてはいかがだろうか。

マンフロット
http://www.litepanels.jp/
ライトパネルズ
http://www.litepanels.jp/
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