「Gショック」仕様ともいうべき新シリーズの1号機。ステンレス製のアウターボディとガラス繊維強化ポリカーボネート製のインナーボディを組み合わせたボディは、水深3mまで潜れる防水機能、高度な防塵機能に加えて、高さ2mからの落下試験をクリアする耐衝撃性をも備えている。にもかかわらず、2cmを切る超薄型を達成しているのが大きな特徴だ。

 大手量販店の店頭価格は3万9,800円程度。レッドとブラックの2色が選べる。

斬新なスタイリングのタフネスモデル

 ボディの奥行きはわずか19.9mmで、同じようなタフネスモデルの中ではもっともスリムに仕上がっている。カメラとしては非常にめずらしく、平行でないラインを多用したデザインが採用されていて、四角いフォルムを見慣れた目にはかなり斬新に映る。さすがにレンズ周りのパーツが液晶モニターと平行でないのには違和感をおぼえたが、使っていて特に問題もなかったし(というか、作例を撮っているときには気づきもしなかった)、目くじらを立てる必要もないだろう。

 ボディ左手側に装着できるプロテクターが同梱されているのは面白いところ。こちら側にはレンズがあるので(たぶん撮像素子も)、落下時などのショックから守るためという意味合いなのだろう。形状の違う2種類のプロテクターを選べるようになっている(筆者は勝手に“ゲタ”と“受話器”と呼んでいる)。こういう遊び心は購入者にも受けるだろう。

 搭載レンズは38~114mm相当(35mm判換算)のF3.9~5.4。折り曲げ式の光学3倍ズームで、最短撮影距離は広角端で10cm、望遠端で50cm。最近の傾向から見れば平凡なスペックと言える。光学式の手ブレ補正機構はなく、高感度による「ブレ軽減」モードを備えている。

 電源は容量700mAhのリチウムイオン充電池。薄型で容量はけして大きくはないが、CIPA基準での撮影可能コマ数は約300コマと上々の成績。ただし、バッテリー室のカバーは防水パッキンの関係だろう、非常に開けづらいのが気になった。もしかしたら、発売までに改善されるかもしれないが。

 一方、カードスロットカバーは容易に開閉できる。腕時計の竜頭を巨大化したかのような「カバーロックダイヤル」を回すと、その下の部分が開くようになっているのだが、仕掛けとしてのおもしろさもあるし、爪が痛む心配もいらない。ただし、記録メディアがmicroSDカードであることにびっくりさせられた。なお、35.7MBの内蔵メモリも搭載している。

“ゲタ”型プロテクター。筆者の好みはこちら。紛失の可能性を考えてのことだろう、予備のネジまで付属しているのはうれしい カミサンはこちらの“受話器”型プロテクターのほうがお気に入りの様子であった。気分に合わせて付け替える手もありかもしれない
レンズは38~114mm相当の3倍ズーム。ズームレンジが狭いのと、光学式手ブレ補正機構がないのはいまいちな点だ リチウムイオン充電池もスリムタイプだが、CIPA基準で300コマ撮れる。持ちがいいのはいいが、カバーが開けづらいのが難点
腕時計の竜頭をモチーフにしたような「カバーロックダイヤル」。回すとその下のカバーが開くようになっている 記録メディアはmicroSDHC/SDカード。スロットの下にUSB/AV端子がある。できれば、バッテリーも1か所にまとめて欲しかった
ゴムっぽい素材のシャッターボタンやその外周のリングの処理なども、デザインへのこだわりを感じさせる 背面右手側の操作部。動画用の「ムービーボタン」以外は普通じゃない形ばかり。防水処理の関係で、ボタン類の操作感は少々硬めだ

「操作パネル」のカスタマイズが可能に

 画像処理エンジンには最新のEXILIMエンジン4.0を搭載しており、「人物メイクアップ」、「風景メイクアップ」機能が利用できる。いずれも十字ボタンの左右でオン、オフの切り替え、「操作パネル」上で強弱などを選択できるようになっている。

「人物メイクアップ」は人物の顔のシミや小ジワを消して肌をきれいにするなどの効果がある、いわゆる美肌機能で、効果のレベルを「0」から「+12」まで(標準設定は「+6」になっている)調節できる。自分撮りで試してみたところ、標準でもかなり肌がなめらかになって、血色もよくなるのが確認できた。

 一方の「風景メイクアップ」は、彩度を上げて色彩を強調する「鮮やか風景」とコントラストを上げてヌケをよくする「もや除去」が選べる。効果のレベルは「+1」、「+2」から選べる。遠景の場合は「もや除去」、花畑などの華やかさを見せたい場合は「鮮やか風景」が合うと思う。

 また、階調補正を行なう「ライティング」機能にも、効果が強めの「エクストラ」が追加されている。ONのときよりもやや処理に時間がかかるが、ONでははっきりとした違いが出にくいときに使うといいだろう。

 個人的に気に入ったのは、「操作パネル」のカスタマイズができるようになったこと。「操作パネル」は、十字キー中央の「SET」ボタンを押すと表示されるメニューで、従来は内容が固定だったのが最近になって項目を選択できるようになった。初期設定の状態では「操作パネル」に「EVシフト(露出補正)」がなくて、操作性が悪くなっちゃったなぁと思ったのだが、実はいちばん下の時刻の項目のところで「MENU」ボタンを押すと、設定画面が出てくるようになっていた。で、よく使う項目を選んで(8項目まで)登録できるのだ。

 おかげで、いちいちメニューに潜り込まなくても露出補正ができるし、バーグラフ表示も画面の最下段近くに移動したので、露出補正で画面がどんな明るさになるのかを目で見ながら補正値を決められるようになった。以前はバーグラフ表示が画面中央を横切るかっこうで被写体を隠してしまっていたが、これなら表示に邪魔されることなく被写体が見られるのでありがたい。

 それから、拡大再生時に「SET」ボタン押しで、スクロールモードから画像送りモードに切り替えられるのもうれしい点。画面の一部を拡大したまま画像送りができるので、何枚か撮った中からピントがいい画像、ブレの少ない画像を選び出したいときなどに便利だ。

十字キーの左右キーで「メイクアップ」機能のオン、オフが切り替えられる。こちらは「人物メイクアップ」時の画面 効果の強さは「0(オフ)」から「+12」まで。人肌をなめらかにボカしてシミや小ジワを目立たなくしてくれる
「風景メイクアップ」は「鮮やか風景」と「もや除去」を「操作パネル」上で選ぶようになっている 「鮮やか風景」、「もや除去」ともに効果のレベルを「+1」、「+2」から選べる
「ライティング」にもより高度な処理を行なう「エクストラ」が追加。これもEXILIMエンジン4.0のパワーのおかげだ 「操作パネル」の時刻の項目で「MENU」ボタンを押すと表示される項目を入れ替えることができるようになる
この画面で「操作パネル」に表示させたい項目を8つ選ぶ。赤いタブになっているのが「SET」ボタンで選んだ項目だ 「操作パネル」での露出補正表示。バーグラフが被写体を見る邪魔にならない場所に引っ越してくれたのがうれしかったりする
再生時の画面。もちろん、情報表示なしも選べるが、これはもっとも情報量が多い状態のもの 拡大は最大で8倍まで。この状態で十字キーを操作するとスクロールする。あたりまえですけど
拡大表示中に「SET」ボタンを押すと、十字キーの左右キーで画像送りが可能。ピントやブレを見比べたいときに便利だ サムネイル表示は25画面。microSDカードということで、ちょっと気になっていた画像送りなどのレスポンスだが、案外に悪くない
こちらはカレンダー表示。その日に撮った最初の1コマが表示される

まとめ

 スタイルは斬新。ひと目見たとたんに欲しいものリストに書き加えた筆者はもちろん、カミサンもムスメも「いいねぇ」である。中身はEXILIMらしく使い勝手もいいし、画質の面での不満もあまりない。水中でも撮れる防水機能に加えて耐ショック性もあるし、低温にも強い。アウトドア派にばっちりなタフさを持ちながら、これだけのスリムボディに仕上げているのだからたいしたものだ。

 細かいことを言いはじめれば、レンズが38mmからの3倍ズームで光学式手ブレ補正がない、ハイビジョン動画じゃない、バッテリー室のカバーが開けづらいといったいまいちなところもあるが、少しくらいは目をつぶって、と思えるカメラだと言える。

実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・0EVの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

・画角

 搭載レンズは38~114mm相当の光学3倍ズーム。実焦点距離は広角端が6.66mm、望遠端が19.98mmだが、Exif上はそれぞれ6.7mm、20mmと表示されるようだ。

 3倍ズームで、しかも38mmはじまりなのに、広角端のタル型の歪曲収差はかなり目立つ。また、望遠端は中心に近い部分はタル型で周辺部はまっすぐにもどるジンガサ型だが、かなり目立つ。コンパクト化を頑張りすぎたのかも、という感じ。画面四隅をのぞけばシャープ感の高い良好な描写と言えそうだ。

6.7mm(38mm相当)
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F3.9 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光
20mm(114mm相当)
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/25秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光

・風景メイクアップ

 彩度が高くなる「鮮やか風景」は、こういうシーンだと遠景特有の青がすみが強調されてしまっているが、青空や樹々の緑を鮮やかに見せるのにはよさそうだ。また、シャープネスも強めにかかる感じで、四隅までくっきりとした描写になる。

 「もや除去」はおもにコントラストを上げてくっきり感を出すタイプで、遠景のヌケがよくなってかちっとした仕上がりになる。どちらも「+2」だとちょっとやり過ぎ感が出てきてしまうので、「+1.5」くらいの設定も欲しい気がした。なお、ガラス越しでの撮影なので、解像力とか画面下部の映り込みとかはお目こぼしいただきたい。

※共通設定:EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F3.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)

メイクアップ:オフ
メイクアップ:鮮やか風景 +1 メイクアップ:鮮やか風景 +2
メイクアップ:もや除去 +1 メイクアップ:もや除去 +2

・ライティング

「ライティング」は逆光などで暗くなった部分の階調を明るく補正するもの。この作例のシーンでは「入」の効果はきわめて限定的で、画面中央のオブジェの下部のリング部分の影にあらわれている程度だが、より高度な処理が行なわれる「エクストラ」ではかなり明確な効果が見られる。その分書き込み待ちが生じる場合がある。

※共通設定:EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/400秒 / F8.9 / -0.7EV / ISO64 / WB:太陽光 / 6.7mm(38mm相当)

ライティング:オフ ライティング:入 ライティング:エクストラ

・感度

 ベース感度はISO64とやや低め。最高感度のISO3200でもフル画素で撮れる。とはいえ、ISO800以下とISO1600以上とではパッと見でもかなりの差がある(高感度域は画素加算+補間処理なのかもしれない)。まずまず安心して常用できるのはISO400までで、緊急用としてならISO800も使えなくはない。ISO1600以上はLサイズプリントがせいぜいの画質だ。ISOオート時はISO400まで自動的に感度アップする。

ISO64
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F3.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
ISO100
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F3.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
ISO200
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F3.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
ISO400
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F3.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
ISO800
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/640秒 / F3.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
ISO1600
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F8.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
ISO3200
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F8.9 / +0.3EV / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
 

・カラーフィルター

 白黒やセピアのほか、着色用のカラーフィルターを使ったかのような効果が得られる「カラーフィルター」。「赤」や「ピンク」、「紫」あたりは案外効果的に使えると思う。

※共通設定:EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/15秒 / F4.2 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 8.7mm(49mm相当)

カラーフィルター:オフ カラーフィルター:白黒 カラーフィルター:セピア
カラーフィルター:赤 カラーフィルター:緑 カラーフィルター:青
カラーフィルター:黄 カラーフィルター:ピンク カラーフィルター:紫

・そのほか

最近のEXILIMは、露出がすごくよくなっている気がする。撮って、見て、露出補正しなきゃ、と思うケースがあまりなかった
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 13.9mm(79mm相当)
ガスのメーターなのだけれど、お店の飾りに使われているのがおもしろくて撮った。ちゃんと検針しやすいように工夫してたりする
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/60秒 / F4.6 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 11.5mm(65mm相当)
こういう場所にはまりますか、と聞きたくなってしまうくらいに変なはまり方をしている消防用の送水口
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F3.9 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 6.7mm(38mm相当)
額縁みたいな意匠のショーケース。この画角でもタル型の歪曲収差がちょっと残っている。下の段のもスニーカー……なのか?
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F4.8 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 13.9mm(79mm相当)
最短撮影距離は、広角端で10cmまで。スペックとしては平凡だが、切り替えなしで寄れるのは便利。シャープ感も高い
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/20秒 / F3.9 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 6.7mm(38mm相当)
お店の看板だが、えらくラブリーなイボイノシシ(たぶん)だったもので。なので、背景はまったく気をつかってません
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 20mm(114mm相当)
夜に見たら嫌な感じがするんだろうなぁと思うと、魔除けの意味合いでもあるのかもしれない
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F3.9 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 6.7mm(38mm相当)
最近は28mm相当とか25mm相当とかも増えているし、38mm相当はじまりだと、建物とかを撮るのはかなり画角的につらい
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F3.9 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
天気のいい日の遠距離の被写体であれば、せこいズームレンズを付けた一眼レフを食ってしまいかねないくらいにシャープな写りになる
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/800秒 / F4.2 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 8.7mm(49mm相当)
じっと見ていると、酔ってしまいそうなくらいの歪曲収差。これだけのジンガサ歪みはコンパクト機ではあまり見たことがない気がする
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/20秒 / F4.3 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 9.5mm(54mm相当)
こちらは望遠端。中央部は歪曲が目立つのに、画面の端だけだとなぜかあまり目立たなかったりする。ちょっと不思議なレンズだ
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F5.4 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 20mm(114mm相当)
道ばたにマネキン代わりのスパイダーマン。Tシャツも似合っているとは言いがたいが、帽子も……。おでこにシワ寄ってるし
EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/60秒 / F3.9 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 6.7mm(38mm相当)
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